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□拍手ログ
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◆なつまつり



しいなに借りた服を着て出かける事になり、ジーニアスははしゃいでいた。
甚平と呼ばれる衣装らしい。
プレセアに見せに行くと飛び出していったが、まだ女性陣は着替えの最中だろうと思い、くすくすと笑みがこぼれた。
恋は盲目とは良く言ったものだ。
自分はというと、現在着付けてもらっている。
不思議な着方をするので一度脱いでしまったら1人では着れそうにない。
仕上げに青い帯を締めて、これでいいらしい。若干、心許ない。

『ミトスはおとなしそうだからこれでいいだろ?』としいなが選んでくれたものを着付けて貰っていたが、歩き方に気を付けなければ前がはだけてしまう。
白地に濃紺の幾何学模様が入った『浴衣』…だそうだ。

『ミトス、こっち来いよ』

ロイドが手招きで呼んでいるので、行くとロイドは僕の後ろに立った。

『髪を結うからじっとしてろよ』

と、器用に手袋のままで、丁寧に纏め上げてくれるが。
『あ…の、耳が』

尖った耳が隠れないのが怖いと言おうとしたが、ロイドは大丈夫だとあっけらかんと笑った。
いつの間にかジーニアスが戻って着ていて。

『すっごく良く似合ってるよ、ミトス!』

無邪気な笑顔につられて微笑む。

『ありがとう。ジーニアスも可愛い』

『ちょっと、ミトスまで子供扱いしないでよね』

と憤慨するから、おかしくてロイドと顔を見合わせて笑った。




++しあわせなじかん。



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