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□声を聞かせて*
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『―――ッ!…ク…ラトス…っ』
熱い。二度目の其れを受け止め身体が痙攣するのを我慢出来なくなっていた。
力強い腕に抱き締められ、最奥に注ぎ込まれた熱に、身体中で悦ぶ自分の浅ましい姿は彼の目にどう映るのかが心配で堪らない。
『あ―――…!…ひぅぅッ…!』
ビクビクと身体が跳ねた。
溜った涙が溢れて落ちるが、拭う余裕は無い。
始めは声も我慢していたのに、何時もよりも激しさを増した行為に口を押さえる事すら許されなかった。
どうしたのか、漏れる嬌声の合間に聞くが答えは返らない。
『すまない』と一言告げられ今に至る。
愛撫をしては焦らすように離れ、煽られてどうしていいか分からなくなるまで攻められた。
『クラ…トス…ッ……!どう…したの…ッ…?』
今までは向き合う形で彼の上に座らせられていた。
一緒に達するなんて都合の良いことは無くて、一人荒い息をついているのが益々恥ずかしい。
首筋に軽く口付けられてぞくりとした快感に身悶えた。
『ね…、クラトス…?』
ぴったりと肌を寄せ、長い鳶色の髪を退け、鳶色の瞳を覗く。
欲情しているのは自分だけではない事は解ったから良かった…が、獣の様に飢えた瞳に驚く。