スフィアから見た夢

□犬と猫
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「おいブラスカ!ちょっとアレ、見てみろよ」

「ん?……おやおや」


ジェクトとブラスカが見つめる先には、一組の男女。

男の方は腕を組み、むっつりと黙り込んでいる。──ちなみに表情はかなり険しい。

対して女の方は、すらりと伸びた手を腰に当て、素晴らしい程にっこりと微笑んでいた。

「これをこうして…っと」

ジェクトは映像スフィアに手を伸ばし、ためらいなくスイッチを押す。

ぶぉん、と控え目な電子音が響き、ブラスカはニヤニヤと笑ったジェクトを咎めるように目を向けた。

「…怒られるんじゃないかい?ジェクト」

「はん!バレなきゃいーのよ、バレなきゃ!」

「やれやれ…私は知らないからね…?」






「…どうしてなのか説明してくれる?黙られても困るんだけど」

「どうしてもこうしても無いだろう。水がお前にかかった。それだけだ」

毅然とした態度で呟く青年に、少女は、相変わらずの笑顔で続けた。

「だから、私が聞いてるのは、どうして水が私にかかったのかと云うことなんだけどなぁ?」

「…………手が滑った。
これで良いだろう?」

「……良くない。」

……その一言に、少女はついに笑顔を捨てた。

「どうして私がびしょ濡れにならなくちゃいけないのよ!」
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