Highest happy
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Side.J
「………」
「………」
「………」
「……榛名」
「元希」
「…元希。いつまでオレの腹に耳やってんの」
「こいつらが語りかけてくるまで」
「………」
何年たっても変わらなく、言いたくなる言葉。
「バカか」
やっと十月十日が経とうとしている今日この頃。
腹は膨れるだけ膨れて、ココに命が宿っていることが一目で分かる。
出産予定日が明後日に迫った今日は、今日も家で榛名…元希とのんびり生まれてくる子供の話なんかしながら幸せと感じる日を過ごしていた。
今はソファに腰掛けて座っているオレの腹に元希がソファの下で、オレの前で、ずっと耳をあてて腹の中の子供の反応を待っている。
「…寝てんじゃねえの子供?」
「ん〜…反応してくんねぇかな…」
そう言う元希の頭を軽く撫でる。もちろん、もう片方の手は大きな腹に。
すると。
「…っと‥」
「おっ」
腹を軽く蹴られた感覚。
子供が動いた。
元希を見れば満面の笑顔。
「準太っ、動いた!!」
「だな」
よしよしと腹を撫でる元希。その顔はとても愛おしそうで、幸せに見える。
「ヒヒっ…なんか嬉しいな、動いてると」
「そ?」
「おお。あ〜ちゃんと生きてるなぁって思うじゃん」
「ちゃんとって…なんか変だ」
ははっと笑うオレの横に元希が座る。
肩に手をやられ引き寄せらて、元希に寄りかかる体制になる。
「やべえ準太…オレ幸せ過ぎて気ぃ狂いそう」
「そりゃよかった」
気が狂いそうな幸せって…なんかすごいな。
でも聞いてるこっちは何故だか嬉しいんだよな。
だからオレまで幸せな気分になる。
髪(頭?)にキスしてすり寄ってくる元希。
「…頑張って生んでくれな」
「おぉ…」
元希はそう言って頬にキスをしてくれて、お茶持ってくると立ち上がって台所に行った。
頑張って、かぁ…。
そうだな。
あんだけ、まだ生まれてもいないのに幸せだと言ってくれる元希の為にもこいつらは絶対生まないと。
もちろん、オレも自分の子供には会いたいしな。
ホント、楽しみだなぁ…色々と。
「っん…」
…なんだろ…腹が…変?
なんか…痛い?
まさか…。
「あっ…ぅ…」
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