Highest happy
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Side:M
「……オレこんなに幸せでいいんだな」
「何回目だよそれ」
準太は今産休中、妊娠8ヵ月に入った。
2人分の命が宿ってる腹はいい具合(どんな具合だろ)に膨らんでいて、歩くのも大変そうだ。
オレは準太の為に休みをとった。
今月と、出産予定の7月下旬から8月上旬にかけて。
準太に話したら「休みのとり過ぎだ!」と怒られたけど。
監督は普通にいいと言ってくれた。一応監督も妻子持ちだから、色々と分かる所もあるんだろうな。
ホントは連続で今月から7月まで準太の側にいたかったけど、それはそれで監督もチームの奴らも多少困るらしいから6月はなし。
それでも出産予定月は側にいてやれる。
それが最高に嬉しい。
今だってすげー幸せ。
「…オレこんなに…」
「しつこい。お茶持ってこい」
「はぃ…」
……それでも幸せ!!
「お前なぁ、そのセリフ何回言ってるんだよ。そしていいんだなって、決定かよ」
「いいんだよ、幸せでオレは」
「…オレ様かよ」
幸せでいいんだよ。
準太の側にいれて、準太がくれる喜び、笑顔。
結婚してからというもの、オレは野球で忙しいからと全然準太の側にいられなかったいてやれなかった。
オレだって、きっと準太だってお互いに寂しい思いをした。
だから今こうやって、準太の側にいれて笑えて、生まれてくる子供を楽しみにして過ごす日。
今まで味わえなかった最高の想い。
だから今…
「幸せでいいんだよ」
と思うんだよ。
「ほら熱いの。気ぃつけろよ」
「サンキュ」
熱いお茶が好きって…年寄りくせぇよなぁ。
言ったら怒られるから言わねぇけど。
「…味薄」
そして味うるさい。
「ちゃんとお湯入れて時間待ったかぁ?」
「いいじゃねえかよ。薄い方が身体にいいぜきっと?」
「なんだよそれ」
とか言いつつちゃんと飲んでくれる。
ま、これでもいいのか。
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