Highest happy

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「…準さぁん…グズッ…」

「…なんで泣く…」

「だって…しばらく会わないうちに…ズッ…」

「……5ヵ月にもなりゃこうもなるっつの」





嬉しい休みの日。今日は久々に利央が遊びに来た。

でもこいつは人を見るなり。
いや、オレの腹を見るなり泣きぐずりだし今に至っている。


見てわかるように、何ヶ月か前に比べたら明らかに膨らんでいる腹。
立派な妊婦だな。


「っぅわぁあああんっ、やっぱり妊娠してたんだあぁあぁああっ!!!」

「なんだそりゃっ。お前オレと一緒に病院行っただろっ!」

「ウソだって信じたかったよぉおお!」

「あーもーっ!!泣くなっつの!!」


…てな感じだ。




先月の定期検診の日、その日は榛名と一緒に行って来た。

腹の子は問題なく成長していて、良かったと胸を撫で下ろした。



問題はその子供の数だった。





『…あ』

何かの機械でオレの腹を見ていた医者がポツリと、何かを見つけたように言葉をもらした。

『え…どうかしましたか?』

それになんだか不安になったオレは、ドキドキしながら聞いてみた。

そしたら医者は、オレと榛名を見るなりにっこりと笑って言った。



『―双子ですね、これは』




『…はぃ?』

『ぅおっ!!マジでっ!?』




多分二卵生双生児なんじゃないかと言っていた。

榛名はすげー喜んでオレはすげー驚いた。
何が驚いたって、まず双子だって事だろ。ずっと1人だと思ってたのに2人だなんて普通驚くだろ。


もう1つは…。



『なっ!オレの言った通りだろっ!?』

『あ〜…』


その一昨日の夜、榛名が「腹の子は双子だ」と予言していた。
しかも希望で、「二卵生双生児」と言っていた。


あぁもぅ…。榛名だもんな…。
もう、さすがだなって言ってやりたくなるよ…。





「…で、榛名は?」

「ん?行ったけど。今回は早めに帰ってくるってさ」

「いっつもそれ言ってない?」

「まぁなぁ〜」


でも今度は早く帰ってくるっ!とか意気込んでいたな。
気ぃ使ってくれてるのか…?嬉しいけど。




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