Highest happy
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榛名はオフシーズンに入り、オレは妊娠2ヵ月と2週目に入った。
まだ膨れない腹はあと何週間もすれば反応を始める、みたいな事を医者は言っていた。その位の時に子供の姿もはっきりしてくるらしい。
楽しみだな、と榛名は笑い、オレもうん、と応える。
定期検診は3週間後。
「準太〜、産休いつから〜?」
「来年の4月からって予定してるけど。その頃だと妊娠7ヶ月…だったかな」
朝、学校に行く時に榛名に聞かれた。
たとえ榛名が休みでも、一応公務員のオレは仕事。教師だ。
妊娠したんだから休みゃあいいのに、と言う榛名だけどまだ2ヵ月だ。休めない。産休予定は来年の4月だ。
テーブルに榛名の朝食を並べ、冷蔵庫にはこれも榛名の昼食を入れておく。
コーヒーは?、と聞くといると返ってきたからカップにいれて出す。
そんなこんなでもう行く時間。
「じゃあ行くから」
上着を着てカバンを持って。
玄関に向かうと片手にコーヒーカップを持って榛名がついて来た。
見送りなんて、なんか久々な気分。
「何時に帰ってくる?」
「今日は早く帰って来る。6時半までには帰ってくるよ」
「んー…長いなぁ」
「そうかぁ?っはは…いい子にしてろよ」
「ガキじゃねぇし」
靴を履いてドアノブに手をのせる。
そしてコレを言うのも多分久々。
「…いってきます」
「ん。いってらっしゃい」
顔が近づき目を閉じ、唇に柔らかな感触を感じる。
いってらっしゃいのキスなんて、結婚してから何回もしてないからちょっと恥ずかしい。
離れて目が合い笑いあう。
なんか恥ずかしい、と言うと榛名は、オレの休みが終わるまでずっとやってやると言った。
しばらく毎朝、この幸せで恥ずかしい気分を味わうのかと思い、オレは家を出た。
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