Highest happy

□1
1ページ/5ページ


今日から連休でよかった。こんな状態で学校に行ったら確実に倒れてる。



「…ぅえ…」



さっきから原因不明の吐き気が止まらずに洗面所やらトイレやらに走り回っている。


風邪かな、なんて思って熱も計ってみたけど特にない。

二日酔い、なんてこともない。まずオレは酒が飲めない。榛名からも「飲むな」って言われてるし(何でだろ)。


のろのろとお気に入りの白いソファにうつ伏せに寝転がる。
落ち着くとは言えないけど、今ならどんな体制でも落ち着けないだろう。


「…気持ちわりぃ…」


あぁもう。
誰かなんとかしてくれよ。まじやべぇからさ。

病院に行って一応見てもらいたい、けど今自分で行くのは相当辛いものがある。

榛名もいないから連れてってもらえないし…いや、いても連れてってもらわない。
あいつ一応有名人だし…目立つ、はっきり言えば。

タクシーもやだ。拾うの面倒だし(ワガママだなオレ)。


テーブルの上の携帯をとってアドレス帳を開く。

あ、か、さ、た、な。
な行の一番上。


『仲沢 利央』


「連休だし…休みだよなさすがに…」


発信ボタンを押して携帯を耳に近づける。
プ・プ・プ…と規則的な音が聞こえてから呼び出しの音。

出るかな、と思いながら音に集中してみればすぐにその音は消えて、何年経っても変わらないアホみたいに(アホだけど)明るい声が聞こえてくる。


『もしもし準さん!?』

「よ〜利央。今いいか…っつか今日ヒマ?」

『え、うん!ヒマヒマ!何準さん、デート…』

「今すぐオレんち来て病院連れてけ」

『…はい?』


それだけ伝えて、オレは電話を切った。



利央?
当然来たよ。





.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ