短編
□榛名元希の計画
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今日は高瀬の誕生日だ。2月2日と、同じ数字が並んでるから人の誕生日を覚えるのが苦手なオレでも分かる、覚えた。
だがオレは同時に、他人の誕生日の祝い方が分からない。
ただ「おめでとう」って言えばいいのか。プラス、プレゼントをあげれば祝った事になるのか。
分からないけど、高瀬には喜んでもらいたい。
やっぱ恋人だし、すげー好きだし。笑顔が見たい。
高瀬の趣味は、実はゲーム。ハンパないゲーマー……らしい。
そんな姿見たことないけど、そういう顔は見たことある。
目の下に軽いクマ。寝不足だ。
そう考えた時、好きなゲームをあげた方がいいのか?となる。
だがあいにく、ゲームソフト1本プレゼントするだけの金はない。
とりあえず、オレが持ってるゲームソフトを1〜2本、中古だがプレゼントしよう。
好みかどうかは…悪いが知らない。これを機に聞いてみようと思う。
次に。
お菓子は、高瀬はあまり食べない。特に甘いが苦手だと言う。なので却下。
…学校帰りデートに誘おう。ああ、これいいな。
オレも高瀬に会いたいし、行きたい所に連れて行こう。
あ、ゲーセン行ってプリクラ撮るのもいいな。
このルート決定だ。
多分嫌がるだろうけど、んなの知るか。
はいここまで決まり。
最後はやっぱり、……夜景?いや無理だ、キャラじゃねえよ。
ならオレらのお決まりコース、公園だ。
さすがに誕生日の日くらいケーキは食べるだろ。
甘さ控えめのケーキ2つ買って、未成年向けのシャンパンも買って思いっきり派手に開けよう。
多分この瞬間すげーはしゃくぜ?
で、適当に1日を振り返って…あ、ここでプレゼントあげればいいか。中古だけどってちゃんと言ってやろ。
きっと苦笑しながら、でもありがとうって嬉しそうに受け取ってくれる。
ああ、結構考えれば思い付くもんだ。うん、これでいっか。あとは高瀬の好きなようにさせよう。いつもはオレがワガママ言うから、今日くらい高瀬のワガママたくさん聞こう。あ、プリクラは絶対撮るけどな。
あーあ、考えてたらすげー楽しみになってきた。
早く2時2分にならねえかな。その瞬間高瀬に誕生日おめでとうメールを送る。そしたらオレからきたメールに2がたくさん並ぶから。
高瀬、笑ってくれるかな。呆れるかな。
よし、その間いらねーけどそれなりなゲームソフトを探してみるか。
終わり