短編
□血まみれのValentine
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「バレンタインっ……高瀬さんの甘く卑猥なチョコレート!!!!」
「なんだそれ。んな事言うお前が卑猥だ」
「おお、ツンデレ泉」
「よお、変態キモベ」
「今日オレは桐青に行く!そして高瀬さんの卑猥をもらう!!」
「一体なにをもらいに行くんだよ。そして迷惑だ絶対に」
「あああああ興奮してきた…!!」
「そこで下半身抱えながら腰折るな」
「ハアハアハアハアハアハア…高瀬さん、いや高瀬!いや準太!!待ってろ!!」
「おい誰かーバッド持ってきてくれー、鉄の」
★★★
「はあ……榛名…」
「ため息する姿すら美しいZE★準太あ!!」
「ひいっ!?」
「くそっ!ボコボコにして鎖でグルグルに繋いだハズなのに!!」
「なんかすごい血まみれ!えっと…西浦の泉くんと…………阿部」
「その間はオレの名前を呼ぶのが恥ずかしいという恥じらいからのものだな準太!ハアハアハアハアハアハア…なんて可愛いんだ!!」
「この頭ん中すべて変態という名の変態まみれの男がっ。すみません高瀬さん、全身全霊でこいつを連れて帰ります」
「はあ…」
「くそっ離せツンデレ!」
「黙れキモい存在。キモい通り越して気持ち悪い」
「同じじゃないか?」
「……おーいっ!高瀬ーっ!!」
「あっ…榛名…!」
「はあっ…よっ!お前から呼び出すのって珍しいじゃん。嬉しいけどっ」
「あ、うん、まあ。……ここじゃなんだから」
「……タカヤ。なんで首、鎖で繋がれてんだ?」
「すみません、今連れ帰ります。そして二度と来ないよう躾(しつけ)ます」
「くそ…オレと準太を阻むのは鎖だけかと思ったが……元希さんめ!!」
「お前っ…なんでそんな血まみれなのっ!恐すぎる!!」
「榛名っ…行こ!」
「おおっ。なんかよく分かんねーけど」
「離せ泉!!オレの準太がオレ様S男に連れていかれる!」
「鼻血やらで血まみれの変態野郎よりはマシだろーが!なんでオレこんな役ばっかりなんだよ!!」
★★★
「なんだよあれ。タカヤ変わったなー」
「…(試合の時と変わり過ぎだ、あれは)」
「……たーかせっ」
「ん?」
「今日、オレに渡すものない?」
「…ったく。自分で言うなよな…」
「ひひっ。今日高瀬の為に、誰からももらわなかったんだぜ」
「…ええっ!?なんでんなこと…」
「高瀬のだけ欲しかったから。…って言ったらときめく?」
「っ……一言余計だ…バカ」
「で。あるの?これでなかったら結構ショックなんだけど」
「ホントだな。……はい、ガムとチョコ。市販の」
「市販でもいーよ。サンキューな。すげー嬉しいよ」
「あ、そ」
「照れちゃって。かあいいなあー」
「うるさい……」
「………」
「………なんだよ」
「キスしたい」
「はっ!?なんだよ突然…!」
「いーじゃんいーじゃん、しよーぜ」
「〜…っ。………一回だけだぞっ」
「っし!じゃあ、いただきます」
「ぅ〜……」
「そのキス待ったあ!!」
「っは!?」
「えぇ!?…っ阿部!」
「タカヤっ!!………なんかすげーな。傷だらけで血まみれで、首に鎖ってお前なんなんだよ」
「ふふふ…準太をこの胸に納め、準太のチョコレートと卑猥を手に入れるまでオレは何度でも来る!!」
「ひゎっ!?」
「お前発言最低だな!」
「元希さん、そのキスもまだ渡しませんよ…」
「渡してもらおーとか思わねーし。高瀬はオレんだし」
「略奪愛!!」
「怖いキモい怖いキモい!!」
「おいっ高瀬がすげービビってるぞ!近寄んな変態!!」
「大丈夫だ準太……オレの心はお前への愛でいっぱいだ」
「やだっ!!」
「帰れよお前!邪魔だよ!」
「卑猥のチョコレートを貰うまでは帰らない!」
「主語間違ってる!!」
「(最悪のバレンタインだ!!!)」
(阿部が)
血まみれのValentine
END.