短編

□1010記念小説
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「あーれま。ホントに寝てるし」




まあ、予想はしてたけどさ。
顔が疲れてたからなー。無理しないで早く寝てよかったのに。

まあ…嬉しかったけど、待ってるっ言ってくれたのは。




結局、終わった時間は12時過ぎで日が変わってしまった。


ちなみに仕事ってのは、全学年の進路希望調査の結果報告の書類作成。

全学年、全クラス。全校生徒何人いるか分かってんのかよ。


まあとりあえず終わった。これを明日印刷して提出すればオッケーだ。









つかこいつ、榛名。

ただでさえ縦にも横にも広いベッドのど真ん中に…大の字。


見た目すげー気持ちよさそう。
ていうか、寝顔が物語ってる。気持ちよさそうに寝ている。



「あ〜あ、布団蹴っ飛ばして。ガキかよ」



ばふっと適当にかけてやると、うなりながら寝返りを打った。暑いのかな。

それが可愛いくて、小さく笑った。




とりあえずオレもさすがにもう眠いから、パソコンの電源を落として必要な物をカバンに突っ込む。

薄く点けていた電気を完全に落とし、ベッドに入る。

左右に大きく広げてる両腕の右にオレは寝る。
恥ずかしい…くもないけど、腕枕。左じゃないだけいいと思え。


ぽすんと頭を置き、いい所に体制を整える。





と。榛名が寝返りを打って、オレの方を向いたと思った瞬間。



「……準太、終わったの…」



抱きしめられ、がっしりとした胸の中に。

寝起きの声で聞いてきた榛名に終わったよ、と言った。



「…お疲れさん」

「ありがとう。待っててくれたのか?」

「ちょっと寝たけど…ごめん」

「いいって。疲れてんなら寝ろよ」



言った事は守ろうとする。待っていてくれる。
変わらない榛名の優しさだ。

ちょっととはいえ。少しの振動で起きたという事は爆睡ではなかったということ。
起きていようという意識が頭にあったんだと思う。


それが嬉しい。



「ほら、もう寝ろ?オレも寝るし」

「ん〜……いや、まて」

「ん?どうした」



トイレにでも行きたくなったのか?

そうは思ったが、それは全く違い。
さっきの感情を返してくれと言いたくなるセリフが飛んできた。



「ヤるぞ」










は?



「…なん……榛名…?」

「明日子ども帰ってくるならできねーし…今もう夜中だし、いい時間帯だろ」

「ねっ、眠いなら寝ろよっ。そこは無理すんなっ」



言ってることが分からない。いや意味は分かるが。


オレの言葉は聞こえたのかそうじゃないのか、上を向かされキスされる。
内心、久々にしたなとか思う自分、ちょっと待て。


軽いキスですぐに離れ、ニヤリと笑われる。心臓が跳ねた。



この目には弱い。
絶対的な自信というか、企む…誘うような黒い目が。





そんな目も一瞬。

次の瞬間にはニッと笑われ一言。






「大丈夫だって。学校には行けるようにするから」








絶対ウソだろ。




「久々だし、いいか」と自分を納得させ、夜中の快楽を味わった。








☆終わり☆
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