短編

□夢みよう
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目が覚めたら、知らない部屋にいた。








◇夢みよう◇





「……ん?」



榛名は起きあがる前に、珍しく早起きが出来たと自分を褒めていた。

夜は愛しの恋人とたくさん愛し合った割に、と。




だが起き上がってみればコレだ。自分の部屋じゃない、知らない部屋。しかも広い。




まずベットがデカい、広すぎる。
横は絶対5人は寝れる。縦は2メートルと半分くらいだろうか。
王様がいるならば、こんなのできっと寝ているのだろうと思う。


あと部屋。これは何か特別な物が置いてある訳でもなく、タンス、鏡、机などと。
寝る為だけに使用されているようだ。



扉は閉まっていて、まあ行こうとも思わない。
何故なら。





「…まだ寝てんのかな」



そう呟き、布団に潜る。

ギシっと揺れたベットはとても寝やすく心地いい。
これならすぐ寝れると息をついて体の力を抜いた。



時。





「っん……起きた…の?」










誰だ。

と言うか、聞き覚えがある。


準太だ。



まさか自分の夢に準太が出るとはと榛名は潜った布団から顔を出した。





が。




「ふあ…珍しいな、元希がオレより早く起きるとか」




目があった人物は、確かに準太だ。見間違うハズはない…のだが。




「…準太?」

「ん?」





ちょっと……大人?



目に映る準太はやけに大人びていて。


髪は少し伸びて、まつげが長い。
体も少し大きいが、細くスラッとしていてラインがキレイだ。

トロンとした黒い瞳が、誘ってるようにしか見えない。




「なに、まだ寝ぼけてんの?」

「準太…」

「ん〜?」

「………」






―まあ、夢だし。うん、いっか―



「ヤるか」

「はっ!?昨日あんだけやって足んねーのっ」

「オレは準太の為ならいつでも」

「そんな為はいらねーからっ」



ペシンと頭を叩かれ、準太はベットから下りてしまった。キレイな背中だと見惚れる。



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