短編

□12月31日
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「…さみ」

「神社、人多いだろうなあ」

「明日の昼でもよかったんじゃねえの?」

「まあ……いんじゃね?あ、新年まであと12分だ」

「今年もお前と迎えるのか」

「イヤなのかよ」

「家族とも迎えたいなあ、みたいなさ。榛名はそんな気分ならねえの?」

「う〜ん…ならねえなあ。オレ準太と迎えた方が来年幸せになれそうだし」

「……意味分かんねえ」



適当に話しながら冬道を歩く。


こりゃ神社着く前に新年迎えるな。

準太は寒そうに呟いた。

あ〜やっぱ?と榛名。




「準太…」

「んん?」

「来年もよろしく」

「こちらこそ」

「……ふああ〜」

「ねみいの?」

「寒いと欠伸でるじゃん」

「あ〜」



他愛のない会話をしながら歩いていく。


そんなこんなで、新年まであと7分。



何故かここで榛名のテンションが上がった。





「セックスしながら年越そうぜっ」

「アホか!死ねよ!!」

「すげー記念にならねっ?ぜってー忘れられねえから」

「そんな記念いらねえよ!んの万年発情期!」

「ちょっと、そこの公園でよ…」

「だああああっざけんなっっ!」



寄ってくる榛名から逃げるように走り出す。ついでに顔に雪玉を一発。
さすが、ナイスコントロール。



「っつめて!」

「これで頭冷やしなっ」

「てっめ…!」

「はっははっ!」



お返しと言わんばかりに、榛名も雪玉を作って準太に投げつける。

それをすっと避けてしまうものだから、ムキになってしまう。



「力任せに投げたって当たんねーよ」

「くっそ…!」

「………榛名ー」

「ああっ?」

「2発」

「2?」

「オレ2月生まれだから、2発。2発雪玉オレに当てれたら、さっきの考えてやるよ」



年越すだろうけど、と続き榛名はは?と頭にハテナマークが。


よく分かってない榛名をよそに、準太の顔は赤くなる。



「…だからっ……セッ…ク………」

「………あ」

「〜〜〜…別にいいならっ、神社もう行くし…ってあおっ!!??」



急に飛んできた雪玉に、準太は転けてよけた。

ドキドキして、榛名を見ると………なんともいい笑顔。
背筋がゾワッと寒くなる。



「準太。それ忘れんなよ」




ああ……火をつけてしまった。




そこでちょうど12時。

1月1日、新年を迎えてしまった。






その後、榛名は準太に雪玉を当てれたかどうかは、別のお話ということで。



END
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