短編

□七夕
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「今日って七夕だな」

「え、今日…7月7日?」

「ん」

「あ〜そっか」

「あれだ…彦星と織り姫が会うんだろ今日?」

「あれってさ、何で1年に1回しか会えないんだっけ?」

「確か…。2人ともお互いを想って想いすぎて、それを親が引き離したんだろ?んで会うのを1年に1回にしたんじゃなかったんじゃ……ああもう分かんね」

「ま〜アバウトだけどそんな感じなんだな」

「だったと…。こーゆーのは女に聞いてくれ」

「ん〜。……七夕って何する日だっけ?」

「何…する?…短冊に願い事書いて笹に吊すとか?」

「笹ねぇし」

「そっち?なに書くの?」

「まあ暇だし暑いし」

「暑いの関係あんの?」

「折り紙折り紙…お、あった。はい、破んのめんどくせーからンのまま書こーぜ」

「っわ、なんか変なの。デカすぎじゃね?」

「願い事いっぱい書きゃーいいじゃん」

「んなにねぇし」

「オレいっぱいある〜」

「だろうな」

「まずプロになって〜、外国行って〜」

「オレ…甲子園にしようかな…」

「んで有名になって日本戻ってきて〜、準太と結婚して〜」

「んで……ってちょっと待ておい」

「ガキは…何人だろ…」

「落ち着けオレ子供は産めない、そして話を聞け」

「ま〜ま〜、夢だから」

「………」

「………何?」

「……叶わない夢は、悲しいだけだよ榛名」

「準太…」

「………」

「………」

「………甲子園行って…」

「じゃあぜってー叶う夢にしよ。っつか夢じゃなくてぜってーなるコト。聞け」

「…はあ?…さっき言った事気にしたんなら謝るよ。っつか聞けって命令かよ」

「オレ書かねえから準太も書くな」

「…いいけど…」

「プロにはなる。外国も行くし有名にもなる」

「どーぞ?」

「そん時は準太も一緒」

「………はっ…」

「外国一緒に行くんだよ。準太はオレの嫁になるんだ」

「……さっき言った事と変わらなくねぇか?」

「子供はいない。日本に帰ってきてから結婚じゃない」

「んなの…」

「ずっと一緒って事だよ」

「………」

「今もこれからも、ずっと先もオレらは一緒って事だよ」

「ずっと…」

「オレは準太を手放す気なんかねえ。ずっとオレの傍にいるんだよ」

「………」

「ぜってーなる。準太もオレが好きだから別れるなんてあり得ねえからな」

「……」

「……」

「…何が違うんだかな。チョー俺様じゃん、ムカつくほど」

「知ってるクセに」

「まあな。………ずっと、か」

「一生でも」

「………」

「………」

「…ま」






別れる気もないし


やっぱ

ぜってーなるコトなのかな






―それも悪くねえか―



‖END‖

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