短編

□2月14日
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2月14日
武蔵野第一高校





「…榛名、今年も大漁だな…」

「あ〜…まぁな。すげー邪魔なんだけど」

「そりゃあな。それだけあれば見てても分かるよ」

「はあ〜…捨てて帰ってい?」

「やめろ。せめて一目のつかない所でやれ、ここ校門だから」

「(姉貴にやろ…)…あ、あれ?」

「ん?どうした榛名」

「……っ準太!!」






「…おっせぇな、あいつ…」


(ガザ…)


「やらねえぞ…これ」


「―…準太!!」

「あ‥来た」

「なんだ来てたのか、連絡してくれりゃあ良かったのに」

「いや…ぅん…」

「…どした準太?」

「…榛名…あの‥―っ…」

「…準太?」

「チョコ…多いな…」

「え、ああ…これか。いらねえんだけど貰ったからよ」

「……貰ったんだ」

「んえ?」

「そんだけ貰えりゃ…これ…いらないな」

「…え…」

「わりい、帰る」

「え、あ〜おいっ!準太!?」





「…準太…?」

「榛名」

「秋丸、準太帰った…」

「だろうね。それだけのチョコ見たら帰りたくもなるんじゃない?」

「………なんで」

「高瀬も用意してきたんじゃないの、チョコ」

「…マジ!!?」

「いや知らないけど…」

「ちょっ…欲しい!!」

「オレに言うなよ…」

「準太用意してくれたのか…。っわ!!チョー嬉しいっ!!!」

「欲しかったら高瀬に直接言えよ?」

「言う!!!…ってか、なんでコレ見て帰りたくなるんだ?」

「そこは榛名には分からない乙女心だよ…って高瀬は男か…」

「じゃあこれ持ってったらヤバい?」

「かもな」

「…持ってろ」


(ドンッ‥ガザ‥!)


「はっ…ちょ…ぅわ…!」

「後から取りに行くから、持ってろよ!っつか捨てていいわ!!」

「なんっ…榛名っ!!」

「じゃっ!!」

「じゃ、じゃないからっ榛名っ!!」





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