短編
□その一言に想い
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〜side.R〜
準さんと2人きりで部室にいる時。
準さんがオレの腕をギュッと掴んで離さない。
顔は真っ赤。
「…あ‥りお‥」
「なに、準さん?」
「っあ‥オレ…あの…」
何か言ってくれる。
今ここで騒いだらオレは絶対殴られる。
オレはオレの腕を掴んでいる準さんの手の上に自分の手をのせた。
ピクッと肩が揺れた準さんが可愛い。
〜side.J〜
慎吾さんに頼んでまで部室に2人っきりにしてもらったのに…。
いざとなると、頭真っ白で顔は真っ赤になって何も言えなくなる。
利央に手を触られて肩が揺れた。
何ビクついてんだか…。
あぁもう。
なんて言えばいいのか分からなくなる。
「あ…の…そのっ…」
情けない…。
〜side.R〜
殴られるのはイヤだけど…。
このままだとなんだか準さんが倒れそうなんだけど。
触った手が熱い。
顔も絶対熱い、耳も首も真っ赤だもん。
「好き」の一言で想いが伝わる。
簡単そうですごく難しい、容易に使っちゃいけない言葉。
準さんは、それをきっと知ってる。
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