短編

□恋する高校生
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溜め息混じりに言えば榛名はニヤリと笑い、一枚の写真を裏返しに机の上に出した。

「…なに?」
「甘かったな秋丸」
「何がだよ」
「実はな、隣クラスのやつがそいつの写真持ってたんだよ。しかも制服姿!」
「…へぇ」

貰ってきたのか。

どうだ!!と喜ぶ榛名。写真を見て笑う姿がなんだか怖い。

でも榛名には運がいい、と言ってもいいだろう。
制服姿ならどこの学校の人なのかすぐにわかるし、顔なら榛名が知っている。

「あ〜…まじキレイ‥」
「見せてよ」
「え〜なんか秋丸に見せるのもったいねぇ」
「なんでだよ!」

パッと取り上げればあぁっ!と情けない声。
期待して写真を見た秋丸は…。



「…ん?」


「どーだ?すげぇ美人だろ!」
「いや…まぁ…」

美人は…多分美人だ。


でもこれは…。



「…男…だよな」



「悪い?」
「ちょっとまて!!?」

写真に写っていたのは確かに美人と言っていいが、確実にそれは男だった。証拠に制服は男物。


それにこの人物は…。


「桐青の高瀬準太じゃん!!」
「なっん…秋丸知ってんのかこの野郎!!!」
「なんで怒んの!?」
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