短編

□恋する高校生
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「オレ、恋しちゃったさ多分」

「…はあっ?」



‡恋する高校生‡



武蔵野第一高校、昼。
向かい合わせに榛名と昼食を食べていた秋丸は、嬉しそうに言った榛名の一言に箸で摘んでいたおかずを落とした。

「…何?」
「何度も言わせんなって〜」
「まだ一回しか言ってないだろ」

女子高生か、と言いたくなる口調で手を振る榛名。秋丸は弁当に落としたおかずを口に運んだ。

「オレさぁ、好きなやつ出来たんだよ」
「ふーん珍しい」
「この前の浦総戦の時に観客席にいたやつがすんげぇ美人でさ!!マジびびった!!」

そんなに美人だったのか、と秋丸。

榛名は女にはうるさい方だと思う。特に外見なんか。でも基準がわからない。
結構可愛い方だと思う子を「ブス」と言ったり(当然、その子は泣いた)、髪が長い人を「うっとうしい」と言ったり…。

「(こいつの女の人のタイプ(?)、わかりにくいんだよなぁ…)」

そう思うと、この榛名がどんな人を好きになったのか気になってくる。
こんなに楽しそうに語るのだから、よっぽど気に入ったのだろう。

「で、どんな人なのさ」
「外見?」
「しかないだろ」
「んー、髪は耳くらいの長さで黒。目はたれ目でー…体がなんかエロい!」
「オヤジかお前。…制服だった?」
「あ〜…うん。どこだか知らねーけど」
「じゃあ探しようないじゃん…」
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