□極まれば変ず
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『お知らせします。全校生徒は直ちに第2講堂に集合してください。繰り返します。』




コウとまったりしていると突然の鐘と呼び出しのアナウンス。


なにかねー?とコウを見ると変な顔をしていた。

「だから声出てる」
「あ、ごめん。でコレはなんの呼び出し?俺なにも聞いてないよ?」

双頭会関係なら俺にも連絡が来るハズだし、朝から全校生徒を呼び出す大事やらかす委員会はいないよな。


コウは黒板の横に掛かっていたカレンダーを目でなぞり何かを数えた。
そして納得がいった風に言った。

「あぁ。視察団が帰ってきたんだ」








なんですかソレ?












「視察団っていうのは正式には『総校代表委員会』といってうちの姉妹校に出向いて行事や校内の取り組みを話し合うために作られた一団で、生徒会と風紀会から編成されてる。4つある姉妹校でうちが一番歴史も長く格式も高いからこんな事しなきゃいけないんだよ」


第2講堂に向かう途中で謎の単語について説明をしてもらった。


「あぁ、風紀会や生徒会の人数が聞いてたより少なかったのはそのせいか」

そうそうと頷くコウと一緒に講堂の中に入っていった。








「で、この熱気はなにさ」

いい加減うんざりするよ。きゃいきゃいわぁわぁする生徒を一瞥して前のステージを睨む。


「まぁ風紀会や生徒会に入るやつだし、ね」

後は察しろ。とでも言いたげなコウもステージに目を向けた。

正式な集合ではないので席順はバラバラ。
だらだらと歩いてきた俺とコウは最後尾。
吾平達にいたっては参加すらしてない。







「しかし、ステージが見えないよ」
「髪の色だけ確認出来るな」

「声も聞こえないよ」
「この講堂のマイクいかれてるから。プラス周りのなんやかんやの声が五月蝿いしね」


来た意味あんのかよー。と笑いあっていたら説明が終わってしまったらしく他の生徒が帰り始めていた。

いや、ほんとに何しに来たんだろう俺ら。



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