□極まれば変ず
1ページ/13ページ
あの『食堂大特攻事件』以来目立った嫌がらせはなくなった。
その代わりに、
「神威さん!おはようございます!!」
あの呉間君が付きまとってくるようになった。それがなんというか、本当に目立つこと。
「あぁ、おはよう」
下駄箱につくなり、子犬のように尻尾をふりまわす彼の姿。
輝く彼とは逆に疲れにクマが現れる俺。
あぁ、俺の平和な学園生活はいったいどこに行ったんだろう?
「今日も疲れてるね」
教室で机に突っ伏していた俺の頭の上から爽やかな声がする。
「人事だと思って」
「まぁ、人事だし」
「そうだよねー」
いいんだ。たとえ人事でもそうやって頭撫でてくれるお前が好きだ!
「ねぇソレわざと?」
呆れ口調のコウの顔を見上げた。
「告白は嬉しいけど場所は考えようか」
イスをひき優雅に腰をおろす王子様…じゃないコウ。
「声に出てましたか?」
「ばっちりと」