offer novel
□to future・・・
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ボンゴレ10代目雲の守護者雲雀恭弥は何の感情もない顔でトンファーについた血を振り払っていた。
ツカツカと部屋の中央まで歩み寄っていき、その場で低くうめいている男のわき腹を思い切り蹴りつけた。
「なんだ、まだ生きてたの」
もはや男は動くことも喋ることもできず、見下ろしている雲雀の姿を睨みつけている。
けれど、氷のような雲雀のその表情は動かない。
「死んでよ」
その一言とともに、倒れている男へとトンファーが振り落とされた。
静寂に包まれた部屋の中、雲雀は胸のポケットにしまっていた指輪を自分の左手へと嵌め、そっと、まるで神聖な物に触れるかのように口付けた。
「君がいない世界なんて、いらない」
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