小説置き場

□人を斬った日
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危ない---!!!


伏兵の部隊に囲まれた時、守るべき大将、 織田信長の背後からの斬撃に、かさねは咄嗟に自身の刀にてそれを受け止めた。
キィィン・・・!

激しくぶつかったその衝撃に、かさねは一瞬たじろいだ。敵は刀を振りかぶり、かさねへと振り下ろす。


こんな所で、死ぬ訳にはいかない!
自分は家族のもとへ戻るんだ!!


その時は、気持ちが優先し、最早加減をすることを忘れる。かさねは、相手よりも早く、横一線に刀を振りかぶった。一撃は相手の喉笛を掻っ切り、血捌きが上がる。
一言も発せずに、地面に倒れ込むその姿を見て、かさねは先ほどまでの気持ちが急激に冷えていくのを感じた。次の瞬間には心臓がバクバクと鳴り、自分が決して元に戻すことの出来ない、人1人の命を奪ったのだと自覚したのはすぐであった。


私、今、、人を殺・・・



「おい!何を惚けている!!鉄砲隊が来るぞ、下がれ!!!」
かさねの異常を感じた信長は、即座に命令を行う。


今は、考えると自分が死んじゃう・・・!切り替えろ!!


その言葉にはっとするかさねは、信長の指示通りに動いた。
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