刀語の短編

□会話文SS集
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(勝ち気っ子夢主設定)

その日、名無しさんと左右田右衛門左衛門は特に否定姫から任務も無かったので、暇を持て余していた。

夏の縁側。
女は今にも溶けると言いたげにあお向けに寝ころびながらうちわで自分を扇ぎ、男はその隣で読書をしていた。

『左右田〜』
「なんだ」

『最近めっちゃ暑くない?』
「そうだな。」

『あと姫様人使い割と荒い』
「そうだな」

『・・・七花くんととがめちゃんは、今頃刀何本集めたのかな』
「さあな」

『真庭忍軍かませになりすぎでは?』
「そうだな」

『ねーぇー』「なんだ」
『君生返事になってない?』「そうだな」


・・・圧倒的生返事である。
読書をする傍らなので、致し方ないような気はするが、名無しさんからしたらなんとなくムカつきはする。仮にも恋人の隣なのだ。

もう少し自分を見てほしい。と名無しさんは思いつつも、せっかくなので日ごろからの気持ちを言葉にしてみることにした。


『・・・好きだよ。右衛門左衛門』
「私もだ」

『・・・はい?』「よし、式を挙げるか」

言うが早いか、男はパタン。とさっきまで読んでいた本を片手で閉じた。

『いやいやいや。待て待て待て』「なんだ」


『なんだじゃない!
君、さっき生返事だったじゃないか!!』
「・・・ああ、さっきのか。
だが、あれは不生返事(生返事にあらず)。
暑いから口数が減っていただけだ」

『んな馬鹿な・・・』
「馬鹿で結構だ。
―――思わぬ本音も聞けたからな」『うぐ』

ニヤリと笑う男。恥ずかしさにばつが悪い女。
それは夏の暑さをものともせず、どちらもお熱いものでした。


「それで名無しさん。」
『・・・なに』
「式はいつがいいか?」
『う、うるさい!』


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