記憶のカケラ

□4話
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放課後、夕方18時...





















男主side...




















遠藤「あの...どうして泣いてるの?」


『え...?』






























気付いたら目から涙が出ていた...










『な、何でもない...大丈夫だよ...』


遠藤「じゃあ何でそんな悲しい顔をしてるの?」


『それは...』

























何も言えなかった...

けど、言える訳もない。




















『何かごめんなさい...僕帰りますね...』



























気まずくなった僕は、そそくさと図書室を出ようとする。


















遠藤「あ、あの!...もし良かったら一緒に帰りませんか...?」


『え...?』


遠藤「あ、別に変な意味はないんです!
ただ、もうこの時間なのでどうかなって...」























僕は腕時計を確認する。

時間は18時だった。

校庭にはまだ皆がいた。




























『分かった...』




















何故か断れなかった。

でもここで断ったら変に疑われるかも知れない。

そう思った。


















『...』


遠藤「...」
























一緒に帰ったは良いが、さっきの事もあってか少し気まずい...

とりあえず快斗にはLINEで先に帰ると伝えてある。






















『理由...聞かないんですね...』


遠藤「え...?」


『僕が泣いてた理由...』


遠藤「何か、聞くのはダメな気がして...」


『どう言う事...?』


遠藤「泣いてる事に対して凄く不思議に思って声をかけたのは確かです。
でも、あんまり話したくなさそうな雰囲気を感じてたので、聞かない方が良いかなって...」






























僕は思った、この人は優しい人なんだなって。





























『...優しいんですね...』


遠藤「い、いえ!そんな事ないです...」


『あ、そう言えばこの自己紹介まだでしたよね。豊里貴幸って言います』


遠藤「遠藤さくらです...」


『何組ですか?』


遠藤「B組です、2年の」


『あ、じゃあ隣のクラスなんですね』


遠藤「知ってます、転校生なんですよね?」


『そうです、知ってたんですね』


遠藤「豊里君と同じクラスの子がたまたまいて、それで聞きました...」


『そうですか、因みに遠藤さんは何故図書室に?』


遠藤「私は委員会で受付してました」


『あ、そうだったんですね。1人でやってるんですか?』


遠藤「そうです...皆本は読みには来るんですけど、委員会ってなると、誰もやりたがらないですね...w」


『だったら...僕、やりましょうか...?』


遠藤「え!?」


『僕も本読むの好きですし、図書委員は中学の時少しやってはいたので良ければって感じですけど...』


遠藤「良いんですか!?」


『はい、それに遠藤さん1人だと大変だと思いますし、2人いれば少しでも遠藤さんの負担が減らせると思うので...』





























僕は提案をした。

図書委員は実際に中学の時にやってたし、それに、遠藤さんがこんな大変な事してるのに、僕が呑気に本でも読んでても良いんだろうか...

そんな気持ちも芽生えた為。

運動するよりマシだしね。
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