記憶のカケラ
□3話
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男主side...
放課後、この時間は部活や帰る人で賑わっている。
僕は部活には入れない、だから図書室へと向かう。
図書室は静かで落ち着く、僕にとっては心のオアシスでもある。
入院生活が長かったせいか、自然と本を読む事が増えて、今じゃ時間があれば家でも読むようにしてる。
そして、ゆっくりと図書室の扉を開く...
『思ったより広いな』
僕は率直にそう思った。
ただでさえこの学校は広いのに図書室まで広いとは。
しかもこんなに本が沢山あるなんて、それだけで僕の心が物凄く踊る。
『どれを読もっかな♪あ、これにしよ!』
心が躍ってる僕が手にした本は...
バスケの本。
心臓が悪く部活にも入れない僕が、何故この本を手にしたのか...
全ては快斗の影響。
そもそも運動自体嫌いではない。
病を持っていても体は動かしたかった。
運動会や体育祭にだって好きで参加していた。
まぁその度に皆に迷惑をかけていたかと...
でもバスケ自体はやった事もないし、あまりルールも知らなかった。
快斗が小さい頃からずっとバスケをやっていたお陰で、入院してる時はずっとバスケの話をされた。
そこから自然とバスケに興味を持ち、快斗には内緒でバスケのルールを覚えた。
そして、退院してから少しずつだがバスケの練習もしてた。
それぐらい快斗の影響はデカく、いつの間にかバスケが好きになった。
バスケは激しいスポーツ、勿論僕なんかが全力でやったら一瞬で倒れると思う。
だからなるべくシュートだけを極めて練習した。
勿論基礎の動きは全部頭に入れながら。
そんな過去がありながらも、やっぱり自然と手にしちゃうバスケ本。
『僕が病気になっていなかったら、快斗と一緒にバスケ出来たのかな...』
僕は自然と涙が出た...
男主side... out...