短編@

□再会
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男主side...




















俺は初めて収録現場を立ち会った。

勿論先輩マネージャーと一緒に。

こんな感じで進行していくんだと感心したり、休憩時間に共演者さん達と仲良く会話したりと、良い雰囲気のまま収録が進んでいく。






















そして、収録も無事に終わり、共演者さんやメンバーの皆が楽屋へと戻っていく。






































けど、美波だけはずっと上の空だった。

俺はそれがなんなのか気になっていた。

後で話しかけるか...













































急いで楽屋に戻り、先輩マネから皆に次の収録の事について話した。









































先輩マネ「皆お疲れさん!次の収録まではかなり時間があるから楽屋で自由にしてて構わない」


「僕はちょっと席を外す、移動時間になったら呼びに来るから。
あー、それと貴幸、君はここに残ってて大丈夫だから君も自由に過ごしてくれ」









































どうやら次の収録までにはかなり時間があるようだ。

なので、次の収録時間までの間は楽屋にいてケータリング食べたり、くつろいだりしても良いそうだ。





























そして俺は特にやる事がないらしいので、メンバーの皆と一緒で自由時間をもらった。










































一応俺もマネージャーとして何か一言言っておこう。




































『えー、皆さん。お疲れ様でした!
初現場だったので凄い緊張しながら見守らせていただきましたが、無事に終えて何よりです!
次の収録も宜しくお願いします!』
















































拍手が起きる。

そしてメンバーから「はーい!」や「宜しくね!」など言ってくれる。

俺は皆から受け入れてくれてると実感して嬉しい限り。

だけど、美波を見てもやっぱりどこか上の空...

ボーッとしているのが分かる。

気にはなったけど、とりあえず次の収録まで時間があるとの事だったから、俺は飲み物を買おうと自販機に向かった。














































『うーん、どれにしようかなぁ〜』






































自販機の前に着き、何を飲もうか考えている時に、誰かが近づいて来てる事に気付いた。













































『久しぶり、美波』






























男主side... out...








































梅澤side...
























私は収録に全く集中出来なかった...

ずーっとボーッとしてたし、頭が痛かったし...

















































そんな原因も分かっている...

彼の推しメンが誰なのかで、ずーっと悩んでいる事...

そんな私を心配してか、白石さんが話しかけてくださった...














































白石「梅ちゃん?大丈夫?
桃子から聞いたよ、体調悪そうだって」


梅澤「...白石さん...大丈夫です...
ちょっと...考え事をしてたので...もう...平気です...」


白石「とても平気じゃなさそうなんだけど、凄い辛そうな顔してるよ?
もしかして収録中ずっとそんな感じだった?」


梅澤「...はい...すいません...」


白石「そっか。。。じゃあ、少し外の空気でも吸ってきたら?
と言っても外出られないから自販機で飲み物買うとか!」


梅澤「...白石さん...心配してくださり、ありがとうございます...
じゃあちょっと席を外します...」


白石「うん!休憩スペースでゆっくりしてな?」


梅澤「...はい...」


















































私は白石さんに言われて、楽屋を出ていき、自販機に向かった...

















































そしたら自販機の前に、彼がいた...














































『久しぶり、美波』


梅澤「...うん...久しぶり...」













梅澤side... out...











































男主side...





















































『久しぶり、美波』


梅澤「...うん...久しぶり...」






































これが俺と美波の約4年ぶりの会話だった。


















































『美波も何か買うのか?』


梅澤「...うん...」


『そ。何が良い?奢るよ。』


梅澤「...え...別に良いよ...自分で買うから...」


『良いから!折角なんだからお言葉に甘えとけって!な?』


梅澤「...じゃあ...お〜いお茶で...」


『はいよ、ほら!』


梅澤「...ありがとう...」


『折角だし、少し話さないか?』


梅澤「...うん...」









































俺は美波にお〜いお茶を奢ってそれを渡し、近くにあった休憩スペースで少し話をしようと誘った。

色々話したかったし。















































『まず、驚いたよな。俺が乃木坂のマネージャーになった事』


梅澤「...うん...ビックリした...
...何で乃木坂のマネージャーなんかに...?」


『ほら、俺裏方の仕事好きだったろ?それで。って言うのは半分本当なんだけど、本当の理由は美波を近くで支える為』


梅澤「...え...?」


『俺がさ、大学卒業して東京の仕事に就職した時に普通に何事もなく平和に過ごしてた』


『それでたまたま仕事が休みの日に家でゆっくりしようと思ってテレビつけたら、いきなりテレビ越しに美波が現れて...』


梅澤「...」


『俺はビックリしてさ、すぐに母さんに電話したんだ。
そしたら母さんが「あんた、知らなかったのかい?美波ちゃんはね、モデルになる為に乃木坂46に入ったんだよ」って言われてね』


『確かに美波は昔からモデルさんになりたい!ってずっと言ってたけど、まさかそれが乃木坂に入るって、しかもアイドルって言うのに驚いて』


梅澤「...」


『あの人見知りで泣き虫で甘えん坊の美波がアイドルって...
ぶっちゃけ想像出来なかったんだよね』


『でも、次第に美波が舞台とかバラエティで活躍してる所を見ると、凄い頑張ってるんだなって思ってさ。急に美波を支えてやりたいって思ったんだ。』


梅澤「...///」


『だから俺は必死に勉強して、会社も辞めて、美波を支えてやろうともがいて、秋元先生にアピールして。
それで、こうして念願だったマネージャーになる事が出来たんだ』


梅澤「...そう...なんだ...///」


『俺の夢はさ、美波の専属マネージャーになる事。そしたらさ、ずっと近くにいれるし、側で支える事だって出来るかなって思ってさ』


梅澤「...でも...貴兄ぃメンバーの皆に言ってた...推しメンがいるって...」


『あぁ、それ?そんなもん美波に決まってるじゃん!』


梅澤「...え...?」


『恥ずかしいから皆の前で俺の推しメンは美波です。って言える訳ないだろ、一応幼馴染なんだし』


梅澤「...本当...?」


『当たり前だろ、俺が嘘言ってどうすんだよw』


梅澤「...そっか...そうだったんだ...」


『もしかして、楽屋で辛い顔してたり、収録中ずっと上の空だったのは俺の推しメンは誰なのかって考えてた事?』


梅澤「はぁ!?べ、別に違うし!?
って言うか貴兄ぃも知ってたの!?私が辛そうな顔してた事!!」


『まぁ一応、顔見たらそうなのかなって思って気になってたから。
でも、もしそうだったら申し訳ない事したな。もっと素直に言うべきだったな...』


梅澤「ホントだよ...もっと素直に言えよ!バカ貴兄ぃ!」


『ごめん...』


梅澤「私がどんだけ辛い思いしたか分かる!?(怒)貴兄ぃの推しメン誰なのかな?白石さんなのかな?西野さんなのかな?ってずっと考えててさ!!」


「気になって気になって仕方なくて...挙げ句の果てに頭が痛くなって桃子や白石さんに心配されて...ずっと...辛かった...」


『美波...』


梅澤「私は...小さい頃からずっと貴兄ぃの事が好きなの...
だから貴兄ぃが大学卒業して東京で就職するって言った時も私の元へ離れちゃうんだ...って思って...」


「そしたらその1年後に乃木坂3期生オーディションがあってそれを受けようって...自分の小さい頃から夢だったモデルになる為もそうだったけど、少しでも貴兄ぃに追い付こうと、追い付けなくても近くにいようと頑張った」


「それで見事に乃木坂に受かって活動拠点が東京になるから東京に上京して近くにいれる!って喜んでたのに...
貴兄ぃの携帯が繋がらなくなるし...」


「貴兄ぃの両親に言っても、「全部あの子がやったから家とか知らないのよね」って言われてさ...」


『それはすまなかった!
その時実はさ、携帯を落としちゃってさ』


『完全に壊れてデータも一気に飛んじゃったからさ、新しい携帯に変えてさ、親の電話番号も美波の電話番号も分からなくなって、今度会った時に聞こうって思ってそのままにしてたんだよね...』


梅澤「もう私の事どうでもよくなっちゃったのかな...追い付く事は出来ないのかな...側に居る事も許されないのかな...そんな事ばっかり考えちゃって...」


「でも、きっと貴兄ぃは何処かで見守っててくれてるはず!ってずっと心の中で思いながらここまでやって頑張ってこれた...」


「私、もう子供じゃないよ...?もうすぐ20歳になるんだよ...?
だから、これから、ずっと、私の側に、いてくれますか...?///」


『っ!?...そんなの、ずっと側にいるに決まってるだろ...俺も...美波の事好きなんだから...///』


梅澤「嬉しい!///」


『おっと、ちょっ!美波、ここで抱きつくのはマズイって///』


梅澤「ふふっ顔真っ赤!貴兄ぃ、だーい好き♪///」





































上目遣いでそんな事言われたら、抑えきれなくなるだろ!!

そう心の中で思った。













































でも、これからはずっと美波の側に居る!

何があっても守る、近くで支えになる!







































無理をしないで泣きたい時は泣く、甘えたい時は甘えてこい!
































...END...


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