短編

□面倒な女
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『再婚!?』



父「ああ、そうだ。今日の夜辺りにこっちに来ることになってる…お前と同じ歳の娘がいるらしいから、上手くやっていけよ?」



梅雨の時期の6月15日、午前7時。

衝撃的な父の発言に怒りが湧いた。


再婚の話しなんて全く聞いてない…
普通、こんな重要なことを黙っとく奴なんていないだろ。


しかも、「上手くやれ」って何だよ!





家にいるのが嫌すぎて急いで学校に向かったが、授業中も再婚のことで頭がいっぱいだった。



放課後は再婚のことを忘れるくらい夢中になって友達とカフェでお喋りをしていた。




しかし、そんなんで忘れられるわけもなく、家が近づいて来るたびに徐々に思い出す。




家の目の前に着き、足を止めす。



『はぁ…』



溜息をこぼし、一歩進んでドアを開けた。



ガチャ…



『はぁ……⁉』


もう一度、溜息をこぼすと、仁王立ちして、待っているお父さんと目が合った。

ビックリしたし、顔から怒りオーラが出ていたため、身の危険を感じたのもつかの間…



バチッ!!



『っ…』



頬を思いっきり打たれた。



父「おい…連絡入れたよな?もう、2人は着いて、ずっと待ってたんだぞ!何してたんだ!?言え!」



『…。』



父「チッ…もういい!早く入って挨拶しろ!」



連絡?
全く気づかなかった…。



でもたしかに人を待たせた自分も悪いが、
勝手に再婚を決めたお父さんも悪いだろ!



言い返したい気持ちを押し殺し、新しい家族が待つリビングへ向かった。





リビングに着くと、可愛らしい少女とまだ30代であろう女性が座っていた。



父「おい…(小声)」



「挨拶しろ」と言うように背中をポンと叩かれる。



『遅れてすみません…名無しさん名無しさんです。』



苗字までいらなかったかな?



新母「遠藤◯◯です。そして、こっちが娘の…」



遠藤「さくらです!よろしくね?」



『よろしく…』



目が合うとニコッと微笑まれ、少し恥ずかしい気持ちになり反射的に目を逸らした。



父「部屋は名無しさんと一緒になるけど…さくらちゃんは大丈夫?」



遠藤「うん!」



ん?
え?
あ?

部屋一緒って…



『部屋一緒って…』



父「風呂入ってないの名無しさんだけだから、直ぐ入ってこい。」



流されたし…。

しょうがないので、言われた通りお風呂に入り、またリビングに戻った。



父「名無しさん、さくらちゃんが部屋を見てみたいって言ってるから、案内してあげて。」



お風呂から出ると、ホッと一息つく間もなく、部屋の案内を任される。
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