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□突然の訪問者7
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今日は【全国魔法士養成学校総合文化祭】の日。
名前の通り全国から人が集まる大規模な文化祭だ。
開催地に選ばれたNRC(ナイトレイブンカレッジ)。
一般公開もされる為、校内には学生は勿論、大勢の来場者で賑わっていた。
どうやら、【ボーカル&ダンスチャンピオンシップ】通称【VDC】なるものも行われる為、一般の来場者の他にマスコミも集まっているらしい。
そんなことを露知らず、名前はまたもやNRCに来ていた。
兄を探すため何処へ行こうか、何時もより多い人に戸惑いつつキョロキョロ辺りを見回していると・・・
「そこにいるのは、名前でねーのかにゃぁ?」
聞き覚えのある声に名前を呼ばれた。
振り返ると、目の前に浮かぶ生首。
『・・・ちぇーにゃ!』
「なんでぇい。名前つまんねぇ〜にゃ。」
それは兄のもう一人の幼なじみ、チェーニャだった。
自分のユニーク魔法に驚かない名前にチェーニャは少し不服そうだが、何時もと違う校内の様子に少し心細かった名前は見知った顔を見て安心した。
「まぁ道案内なら、俺にまかせろにゃ。」
名前が誰を探しているか察したチェーニャが、兄を一緒に探してくれることになった。
*
「ふ〜っふっふ〜ん♪お探しものかい?それなら、この俺様に聞いてみにゃぁ。」
「うわーーーーーッ!子連れ生首おばけ!!!!」
「!?」
「「名前!?チェーニャ!?」」
『にーちゃ!りーくん!』
ユニーク魔法で身体を消し顔だけ残したチェーニャと、そんなチェーニャに抱っこされた名前。
端から見ると空中に浮かぶ生首と幼子の姿に驚くグリムと監督生。
兄ーーートレイと、リドルも急に現れた二人に驚いている。
「あっ、よく見ればオマエら!トレイの弟と、ハーツラビュルの庭で会ったにゃあにゃあ言う変なヤツ。」
どうやらグリムと監督生はチェーニャと面識があるらしい。
四人の様子に、
「ンッフッフ。猫のようなヒトのような、魔力を持った不思議なヤツ。アルチェーミ・アルチェーミエ・ピンカーとは俺様のことだにゃあ。」
チェーニャは満足そうだ。
「あっ、チェーニャ先輩。トビーたちがどこに知ってるの?」
そんなチェーニャに名前と変わらない背丈の人物が訊ねてきた。