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□鬼灯様と雪鬼2
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『すみません、またウチの春一がご迷惑をかけているみたいで……』
名前は八大へ春一を回収しに来ていた。
途中まで八大にお呼ばれしたという、八寒の臛臛婆(かかば)の長も一緒だったが、今は部屋に通されている。
「名前も見ていこうぜ」
鬼灯に合うなり謝罪する名前に、名前の腕を引き提案をする春一。
『何を?』
「実は……」
不満がまた八大にも向けられているのには少々懸念を抱いている鬼灯。
一回その辺りをほぐす必要があると、いい機会だから春一が持って来た手土産の礼という事で、臛臛婆の長を接待しようとなったらしい。
『其れで接待のメンバーが、あのお三方なんですね……』
長が通された部屋を覗き見すると、八大ニコニコ三連星の三人が居る。
「すげぇ、あの姐さん…!【貴方のお話何でも聞きたい】のジャブをなんてスムーズに…!それを言ったら長丁場になるのに…なんつー度胸だ…!」
『俺は絶対、嫌。』
「春一君、名前君、普通に覗き見するんだね…」
「キャバクラの手法じゃねぇか…!」
「うん…だよね。」
「まずは樒さんのワン。すかさず横から【身分の高い】五道転輪王による【貴方は凄い】のツー」
覗き見をしながら感想をもらす春一、解説する鬼灯と一緒に閻魔大王と名前も接待の様子を見る。
「性別云々というのは、よくない考え方ですが、今回は【女性にも男性にも賞賛されている】というのもポイントです。」
「うん、爺さんにとってはでかい。」
『確かに。』
二人におだてられた長は、いつになくご機嫌だ。
「そしてお香さんによる御酌のトドメワンツーからの、ほぼ反則KO。」
「もう大問題接待だよね、コレ。色んな団体からクレーム来ても文句言えねぇ。」
「必殺高級クラブコンビネーション。」
「キャバクラより料金高かった。」
『八大凄いですね。』
「一応断っておきますが、お三方と相談し了承を得て行っています。」
「確かに今そこヤバイよね…」
「あのお三方は本当に、人の話を楽しんで聞ける方々なので、演技ではないのがポイントです。」
「……う〜ん…なるほどなあ…僕にはねぇスキルだ…」
『俺にも無理。』
(この三人をチョイスするなんて……流石、鬼灯様。)
三人の接待の様子に、人選した鬼灯を名前は尊敬した。