SB69

□6話
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初めてのお使い以降、近くなら一人でお散歩しても良いと許可がでた。

ただし、家出の前科があるので、携帯のGPSが確りと付いています。

あまり外に出ない引き籠りな僕ですが、今日は気分的に外に出てみた。

プラズマジカの曲を、鼻唄で歌ったからフラグでも立ったのでしょうか?

僕の目の前には、チュチユがいた。

『こんちはー、チュチュちゃ。』

「あら?ナマエちゃん、丁度良いところで会いましたわ!」

丁度良いと言うチュチュに、僕は嫌な予感しかしません。

そのまま僕は、良い笑顔のチュチュに拉致……もとい、連れられてBRRの喫茶店へと行くのだった。



*



喫茶店には案の定、プラズマジカの他のメンバー3人と、シンガンクリムゾンズの4人が居た。

「ナマエちゃん、連れて来ましたわ!」

『こんちはー』

チュチュに背中を押されて、挨拶をすれば、良く来たと皆に歓迎された。

話を聞くと、BBRで会場を押さえ、プラズマジカとシンガンクリムゾンズの2バンドでライブをするらしい。

そこで、僕に数曲で良いからキーボードで参加してくれないか?との事。

(僕……まだ3歳なのですが、皆わかってます?)

『にいちゃ、おこりゅから、むり。』

兄たちをだしに断ってみるが、チュチュが良い笑顔で、

「それなら大丈夫ですわ。」

自信満々で答えた。

チュチュに促されて、カイ兄に連絡をする。

《ナマエから連絡してくるなんて、どうした?》

心配するカイ兄に、ちょっと待ってと言って、チュチュと代わる。

何事か交渉した後、携帯を返された。

『カイにいちゃ?』

出てみると、

《ナマエ、頑張れよ!観に行くからな!》

いつもなら、嫉妬して反対する筈のカイ兄から、何故か応援された。

(えっ……どういうこと?チュチュさん、やけに交渉上手くないですか?)

『カイにいちゃ、リクにいちゃは?』

最後の望みのリク兄に代わってもらうと、

《ナマエが、参加したいなら、やっても良いんじゃないかな?》

と言われた。

『わかっちゃ。』

バイバイをして、通話を切る。

許可が出たことを伝えると、皆、何を言ったんだと不思議そうにチュチュを見る。

「ふふふっ、其れは今にわかりますわ。ナマエちゃん、ちょっと一緒に来てくださる?」

『?』

チュチュに手を引かれて、喫茶店の奥の扉の中へと入った。

その後……

『にぎゃぁぁぁぁ‼』

僕は悲鳴をあげる事になるのだった。
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