SB69
□4話
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僕には今、気になるバンドがいる……
一組は、【しにものぐるい】という、女の子がボーカルをしている、妖怪横丁?で演奏しているバンド。
二組目は、【Yokazenohorizon】という、夜のバーでしか演奏しないという、珍しいバンド。
僕はどちらかでも良いから、どーしても生でライブが見たかった。
両親や兄たちに打診したが、仕事が忙しい、場所が場所だから……と連れて行ってくれない。
そんな時だった。
母に連れられて行った美容室で、まさかの出会いがあった……
『おにーしゃん、よかじぇにょひと?』
「?……君ぃ、よく知ってるねぃ!」
その店で美容師をしていたのが、まさかの【Yokazenohorizon】のギター、ジャロップだったのだ!
『おにーしゃんたちの、ライブみたいけど、ダメっていわれて、いけにゃいの……』
「あ〜、お子様は寝ている時間だからねぃ……、君ぃお名前は?」
『ナマエ!』
「ナマエちんかぁ、あそこでカットしてるのが、君のママさん?」
『あい。』
ちょっち待ってて〜と言い残すと、ジャロップは、母に何やら話し掛けると直ぐに戻って来た。
「ナマエ、ママさんに了解もらったから、演奏を見に行けるよぉ〜!」
『ほんと⁉』
流石、天然たらしチャラ男のジャロップ!
上手く母を説得してくれたらしい。
「た・だ・し〜、行き帰りは、オレィと二人だけど、だいじょーぶぅ〜?」
『だいじょーぶ!あいがとー!』
こうして、僕はYokazenohorizonの演奏を見に行ける事になった。
*
迎えに来てくれたジャロップに連れられて、やって来ました!BAR【夜風】‼
転生前でも行ったことの無いバーに、ドキドキしながら、店の扉をくぐった。
「チャオチャオっす!ウララギちん、いつものね〜♪後、この子にジュースお願〜い♪」
「ジャロップさん、こんばんは。こちらのお子さんは?」
「まさか、誘拐してきたのか?………です。」
「おっ、リカオちんじゃ―ん。ウェウェイのウェ―イ?」
「………う……うえい…。」
「それで、この子は?」
ジャロップとナマエの前に飲み物を置いて、再度ウララギが訪ねてきたので、
『はじめみゃして、ナマエでしゅ!ジュースあいがとーごじゃいみゃしゅ!』
自己紹介をした。
「お店のお客さんの子でぇ〜、オレィたちの演奏が見たいって言うんで、ママさんにちゃんと許可もらって、連れて来た!」
カランカラン
そこへ最後のメンバーのクースカが来た。
ナマエに気付くと、
「珍しい客が居るね?」
そう言って首をかしげた。
「ジャロップさんの、お知り合いだそうです。」
「ボーク、この子どっかで見たような?」
クースカが何やら考え込む。
その後、お客さんたちが次々と来店し、時刻は0時……
ついにライブの開始時間となった。