BSDわん!

□真面目な太宰
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「如何いうことですか⁉」

出社した中島兄弟が見たものは……

「だ、太宰さんが……ちゃんと仕事してるじゃないですか!!!」

真面目にテキパキと仕事をする太宰の姿だった。

『だじゃーしゃ、おねちゅ?』

熱でもあるのではと、首をかしげる名前。

「その気持ちは良く判る。」

「『⁉』」

声を掛けられて振り返ると、谷崎と賢治が居た。

「朝からずっと、この調子で……」

「真面目にお仕事されてますよ。」

谷崎の言葉に、

「ひぇ〜〜」

敦は悲鳴をあげた。

「因みに、これを目撃した国木田さんは、ショックで寝込みました。」

賢治が指す先には、

「うーん、うーん」

呻き声を出す国木田が倒れて居た。

((国木田さーん‼))

「うう……遅刻にサボリ、ずる休み上等の太宰が、何と、定刻十五分前に椅子についていたのだ‼」

バッと起き上がり告げた国木田は、

「もう堪えられん……俺はダメだ。」

そう云うとバタンと再び倒れた。

((逝ったー⁉))

その時――

「敦君。」

太宰に声を掛けられて、

「ひゃい!」

びくりと返事をする敦。

「この書類をまとめておいてくれないか?」

珍しい指示を出す太宰に、

「は、はい。判りました。」

戸惑いつつ、敦は了承した。

「谷崎君と賢治君は、こっちの報告をお願い。」

谷崎と賢治も顔を見合わせると、

「「ハイッ。」」

了承した。

それからも、もくもくと仕事をこなす太宰の姿に、

「いや〜吃驚しちゃいましたよ。今日は太宰さんの所為で雪でも降るんじゃないですか?」

くすりと笑い云う敦。

『ゆき?』

「いやいや槍かも。」

と、谷崎が云い、

『やり?』

「カエルなんて降ってきちゃったりして。」

と、賢治が云う。

『かえりゅしゃ?』

「太宰が働くなど地球滅亡の前触れかもしれん。」

そんな四人の前に国木田が現れた。

『どっぽしゃ!』

「国木田さん復活〜」

復活した国木田を歓迎する四人。

「もー、皆さん酷い事ばっかり云って。」

皆で笑っていると、

『にいちゃ、おしょと!』

何かに気付いた名前が、敦のズボンを引っ張る。

「ん?……あれ?」

名前の指差す窓の外を見ると、

「雪だ。」

チラチラと降る雪が見えた。

『きりぇーね。』

暫く雪を眺めていた兄弟だったが、

「大変だ!空から槍が降ってきたぞ⁉」

次の瞬間には雪が槍に代わり、

「皆、逃げろ!」
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