If 設定の番外編
□子育てについて
1ページ/1ページ
ポートマフィアに中原が傘下して直ぐの事。
太宰が名前の面倒を見ていると、紅葉から聞いた中原は不安を覚えて、太宰と名前の元を訪ねた。
一応、自分も名前を発見した一人。
自分を家族と云って喜んでいた名前が可愛いのだ。
「おい、太宰。名前の飯はどうしてんだ?」
「え?食堂か、外食で好きな物食べさせているけど?」
歯磨きや、着替え、風呂は?と訊けば、名前が自分でしているという。
名前が賢い事で、そこはカバー出来ているらしい。
中原は溜め息をつくと、太宰に育児書を突き付けた。
「いいか、くそ太宰。名前は賢いが、まだ二歳だ。食事だってバランス良く取らなきゃなんねぇーし、一人で出来るからって、風呂場で一人にして何かあったらどうすんだ!」
そう注意した。
「そこまで云うならさ、中也も名前君の面倒を見れば良いんじゃない?」
育児書をペラペラと捲りながら、太宰が云った。
「は?」
「名前君を独り占め出来ないのは不満だけど……まぁ、僕が仕事の時は森さんに預けているし、今に始まった事では無い。其れに、名前君も中也になついているし。ねぇ、名前君?中也も一緒だと嬉しいでしょ?」
キョトンとしながら、二人のやり取りを見ていた名前に太宰が問い掛けた。
『ちゅーやしゃ、いっしょ?』
首をかしげて名前は、中原を見つめると、
『うりぇしー!』
ニッコリ笑って答えた。
名前の笑顔にキュンとした中原は、思わず胸を押さえた。
そんな中原を見て、
「名前君の笑顔、破壊力あるでしょ?」
太宰はニヤリと笑った。
こうして名前の面倒は殆どを中原が見て、家事など出来ない太宰は名前と遊んだり、甘やかす担当という構図が出来上がるのだった。
後に名前は、
『僕のお母さんは中也さんで、お父さんは太宰さんって感じだよね。』
そう云って、
「「はああぁぁぁ⁉」」
二人の顔を盛大に歪ませるのだった。