BSDわん!
□銭湯
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「名前君は、まだ足が着かないからボクの膝の上ね。」
湯船の深さは名前がやっと目を出せる位。
それを考慮し、名前を抱き上げ湯船に入る谷崎。
『おーきいにぇ!』
谷崎の膝の上でご満悦な名前。
そこへ
「谷崎君、狡い!名前君を抱っこしながら入るなんて!」
太宰がやって来た。
「名前君、私の所に来ないかい?」
おいでと手を出す太宰を、暫くじっと見つめると、
『やっ!』
プイッとそっぽを向いて、少し離れた所に浸かっている国木田の元へ、犬掻きで泳ぎながら二人の元を去っていった。
((犬掻き‼))
蒙古斑の残る、可愛いお尻を見せながら犬掻きをする名前に二人が癒されたのは云うまでも無い。
「ん?名前か、お前、泳げたのか。」
犬掻きで自分の元に来た名前を、膝の上に座らせると国木田は、
「だが、銭湯では泳いではいかんぞ?」
『あい!』
素直に返事をする名前の頭を撫でるのだった。
((お母さんが居る……))
そんな二人のやり取りを見ていた太宰と谷崎の元に敦が来て、
「あれ?谷崎さん、名前は?」
「あぁ、国木田さんの所に……」
敦は国木田の膝の上にいる名前と、谷崎の所に居る太宰を見て、
(太宰さんから逃げたんだ……)
名前の行動の理由を察したのだった。
「それより敦君、名前君、犬掻きできるんだね。」
「えっ……名前、泳げるんですか⁉」
谷崎の感心した様に云った台詞に驚く敦。
「名前、こっちにおいで!」
『にいちゃ!』
その後、犬掻きをして自分の元に来る名前を見て可愛いさに悶えた敦。
「銭湯はプールでは無い!」
そして、国木田に叱られたのだった。