BSDわん!

□銭湯
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お風呂が壊れてしまった探偵社一行。
銭湯に行く事になった。

『しぇんとー、にゃあに?』

「銭湯というのは、名前君、大きなお風呂だよ。皆で一緒に入れる位にね。」

『おーきい……!』

太宰から皆一緒に入る大きなお風呂と聞いて、嬉々とする名前と反対に、

「こんなに皆揃って銭湯に行って大丈夫でしょうか?」

心配そうに国木田に問い掛ける敦。

そんな敦に国木田は、

「全員で止めないといけない事があるからな……」

顎に手を当てて難し気な顔をする。

「え?真逆、事件でも……?」

敦に緊張が走った時――

「わーい!広いお風呂だー!」

浮き輪を身に付け、わくわくしながら乱歩が敦の横を通り過ぎ、

(あっ、これだ、止めるの!!!)

敦は悟るのだった。

「賢治君、湯船でクロール競争しない?」

「いいですね〜。楽しみです。」

乱歩に誘われ同意する賢治に、

「賢治君‼」

「乱歩さんを止めに我々は来たんだよ。」

「あっ、そうでしたね。」

「頼んだぞ。」

敦と国木田がヒソヒソ、コソコソと賢治に忠告した。

「クロールは他のお客さんの迷惑ですから、ダメですよ。」

「え〜〜〜〜〜」

二人の忠告を受け、乱歩に注意する賢治。

「じゃあ、平泳ぎで競争しようよ。」

「はいっ、いいですよ。」

乱歩の妥協に了承する賢治に、

「賢治君⁉」

これは駄目だと項垂れるのだった。

「困った先輩だねぇ。名前、鏡花ちゃん。」

敦が隣に居る二人を見て、大量のアヒルの玩具を持つ二人にギョッとした。

顔を引きつらせている敦に、何か勘違いしていると気付いた名前が、

『らんぽしゃ、くりぇた。』

そう告げると、敦はホッとした顔をした。

その隣では、

「男湯と女湯で兄様と離れ離れ。寂しいわ。」

溜め息を吐いたナオミが、

「ナオミも兄様と一緒の方に入りたい。」

谷崎に詰め寄っていた。

「だ、だめだよ、ナオミ!」

タジタジになりながら、却下する谷崎に、

「それでしたら……兄様がナオミと一緒に女湯に来て下さい❤」

とナオミが云い出した。

「名前君位の歳なら兎も角、も、もっとダメだ!ダメー!」

はわわわ……と顔を赤くする谷崎に、名前を呼ばれた名前は、きょとんとする。

「名前ちゃん、一緒に入ります?」

『にいちゃと、いっしょがいい。』

ナオミに誘われたが、敦と一緒に入るからと、お断りしたのだった。
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