BSDわん!

□荷物運び
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「おっと、フタが。」

敦が荷物を落としてしまい、風呂敷包みの中の段ボール箱が開いた。

そして、中に入っていたのは……

『おてがみ……?』

「大量の恋文?皆、違う女性だ……」

「えっとね、敦君、名前君、これは……家に置いとけないし、社に持ってっちゃおうかなって……」

オロオロと云い訳をする太宰を、白い目で見ている兄弟。

敦の心情を察した名前が敦にマッチを渡すと、敦はそれに火を付けた。

「⁉」

その日は河原に一日中、愛の狼煙が上がっていたという。

「ヤメテー!敦君、ヤーメーテー。」

怒った敦を止めようとする太宰を、名前は、

(……自業自得。)

呆れた顔をして見ていたのだった。


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