BSDわん!
□お掃除
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すると、
「おや?それっぽいのが!」
表紙に【㊙俺の理想】と書かれたノートを太宰が引き当てた。
「恥ずかしそう!」
ノートを取り出してみると、それは【㊙俺の理想の真面目で勤勉な太宰にする方法】と書かれたノートだった。
((違う感じの出て来た‼))
「これは禍々しい……」
げんなりとした様子で太宰はノートを見つめると、
「掃除係として、ちゃんと捨てておかなければ。」
そう云い出した。
((闇に葬ろうとしてる‼))
愕然とする兄弟をよそに、ぽーいとゴミ箱に捨てて、
「これで良し……と。」
清々しそうな太宰に、
((葬った!))
兄弟は再び呆れるのだった。
「さぁ、次は乱歩さんのロッカーだ。」
「まだ続けるんですね。なんとなく乱歩さんのロッカー、想像できるような……」
『おかし、いっぱい?』
「まぁまぁ、開けてみてのお楽しみ。」
兄弟を宥めて、太宰が乱歩のロッカーを開けると……
「ほら、駄菓子が。」
どさっとロッカーから落ちる、お菓子……
「ふゅ?ふぁーに?(ん?なぁーに?)ふぁんふぁもう?(何か用?)」
(((本人も収納されてた!!!)))
ロッカーの中には、お菓子を食べる乱歩も居た。
「秘密の場所で食べる駄菓子って、美味しいよね。」
ロッカーの中で、お菓子に埋もれながら、いえーい☆とそう告げる乱歩に、
「そんな秘密基地感覚でロッカーに……」
呆気にとられる敦。
「掃除してるなら、コレ捨てといてよ。」
ガサガサと、食べた後のゴミを敦に渡すと、
「じゃあね、なるべく静かにしてね。名前も一緒に入って駄菓子食べる?」
『いー。』
誘いを掛けてきた乱歩に、名前が丁重にお断りすると、ばいばいと、乱歩はロッカーの中に戻ってパタンと扉を閉めた。
「え、えーと、次行きますね。」
次は与謝野のロッカー。
中からは何か赤い液体が漏れ出している。
「与謝野医師(せんせい)の…矢っ張り血なんでしょうか…」
名前は赤い液体の正体に、匂いで気付いた。
『にいちゃ、こりぇ……』
名前が云う前に太宰が、
「死ぬ間際まで怪我人を此処で放置しているだけかも。大丈夫、大丈夫。」
そう云い出した。
((鬼か))