ドラマCD【BSD温泉へようこそ!】
□4話
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「あぁ、美味しかった♥️」
『おいちかった!』
温泉からでた後、夕食を済ませた敦と名前。
食べたことの無い、豪華な料理の数々に、中島兄弟は大満足。
「本当、豪華な料理だったねぇ。ナオミにも食べさせてあげたかった。」
そんな中島兄弟を微笑ましげに谷崎が見つめる。
その隣を、
「温泉に入って・・・美味しいものを食べて・・・お腹いっぱいになったら・・・ふわぁ〜・・・眠くなってしまいました・・・」
目を擦りながら賢治が、フラフラと歩いていた。
『ふわぁ〜・・・』
敦と手を繋いで歩いていた名前も、賢治につられて欠伸が出る。
「ちょっと、ちょっと、賢治君!名前も!もう少しで部屋だから、寝るのは我慢して?」
そんな二人に敦が慌てていると、
「お前達、何を騒いでいるんだ?廊下は静かにしろ。」
後ろから国木田がやって来た。
「あぁ、すみません。」
謝りつつもクスリと笑うと、
「国木田さん、修学旅行の引率の先生みたいですね。」
敦がそう告げた。
「みたいというか、俺は元教師だからな。」
国木田の返答に、
「そうでしたね!」
『しぇんしぇー』
そういえばと、敦も名前も納得した。
「昔の話はいいから部屋に入るぞ。」
いつの間にか辿り着いた部屋の戸を、国木田が開け中へと入った瞬間・・・
「うわぁ!!」
国木田が驚いた声をあげる。
それに続いて中に入った敦も、
「部屋の真ん中に首吊りの死体が!?」
部屋の中の様子に愕然とした。
が、名前は冷静に、ぶら下がる人物を見上げていた。
そんな三人の後ろから、
「やっぱり僕は名探偵だなぁ。こういう旅館に来ると殺人事件と遭遇してしまう・・・悲しき定め・・・とでも云っておこう。」
乱歩が芝居かかった様子で、部屋に入って来た。
しかし、我にかえった国木田が、
「先に部屋に帰ったと思ったら、何をしてるんだ太宰!敦、賢治、早く太宰を降ろせ!」
「「はーい。」」
ぶら下がる人物・・・太宰を叱り、敦と賢治に指示を出した。
「そっち持ってもらって善いかな?・・・せーの!」
敦の掛け声と共に、よいしょと降ろされた太宰。
「・・・お前は一体、何をしているんだ!」
こめかみを押さえながら、国木田が太宰に問い掛ける。