BSDわん!

□伝言ゲーム?
1ページ/2ページ


「如何したモンか……」

何やらデスクに肘をついて悩む与謝野。

其処に乱歩と、名前が通り掛かった。

「僕が頼まれてあげようっか!」

『おかいもにょ?』

「乱歩さん!名前!」

与謝野が買い出しで悩んでいると、推理で見抜いた乱歩と、与謝野の異能から聞いた名前。

「流石、二人には妾の悩みなんかお見通しだね。」

感心する与謝野だったが、

「でも、善いのかい?乱歩さんに頼むなんて。」

そう告げると、

「ちゃんと社の誰かに、お遣いに行くよう頼んでおくよ!」

「『え』」

あっけらかんと告げる乱歩に、自分から名乗り出る乱歩を珍しいと思っていた名前はビックリ。

「あ、乱歩さんが購い物に行ってくれる訳ではないンだね……」

与謝野もそれは同じだったらしく、顔を引きつらせながら、

「そうだけどっ?」

不思議そうな顔をして云う乱歩に、

「頼んだよ……」

頼むのだった。

与謝野が欲しい物は、新しい診療録紙(カルテ)と鋏。

だっと駆けていく乱歩の後を、名前は心配してついて行った。

「おっ、あれは。賢治くーん!」

乱歩は賢治を見つけて声を掛けた。

「はい、何でしょう?」

立ち止まり、振り向いた賢治に、

「一寸、購い出しを頼みたいんだけど。」

乱歩が云うと、

「判りました。行きましょう。」

賢治は快く引き受けた。

「与謝野さんがね、新しいかるてとはさみが欲しいんだって!」

乱歩からの注文をふむふむと聞いた賢治は、

「頼んだよー!」

乱歩に見送られ、その場を後にした。
名前は、そんな賢治の後をついて行く。

暫く歩くと、

「あ」

何かに気付いた様に声を出す賢治。

「しまった!今から現場に行かないとでした。お遣いしてからだと間に合いませんね……」

仕事があったらしく、困り出した賢治の側を、

「何かトラブルか?」

国木田が通り掛かった。

「国木田さん!」

「ウン?」

丁度良かったとばかりに、声をあげる賢治。

「―――と云う訳で購い出しを頼まれたのですが……」

賢治が事情を説明すると、

「成る程な。善いだろう。購い出しは俺が何とかしとく。」

国木田が引き受けてくれた。

「本当ですか!ありがとうございます!」

それに喜ぶ賢治。

「何が必要なんだ?」

国木田に問い掛けられて、

「えーっと……」

顎に手をやり思案すると、

「【かるび】と【はらみ】が必要だそうです。」

そう答えた。

(か……かるび、はらみ?牛肉になってる……)

唖然とする名前。
これには国木田も、思わずブッと吹き出し、驚いていた。
次へ
前の章へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ