SB69

□17話
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合同ライブが終わって暫く。

ある噂が流れて来た。

【色々なバンドのメンバー達が、次々と姿を消している】

そんな噂を聞いた兄達は、今までよりも更に過保護になった。

シンガンクリムゾンズで、アイオーンとヤイバが行方不明。

プラズマジカでもチュチュが行方不明。

Yokazenohorizonでは、ジャロップとクースカが行方不明。

アルカレアファクトでもオリオンが……と、ナマエの知り合いにも被害が及んでいた。

そんな時、ついにカイとリクも行方不明に……

『にいちゃ……』

何か手懸かりが無いかと兄達の部屋を覗いたナマエ。

兄達の部屋には、あるゲームソフトが置いたままになっていた。

『【ぴゅ〜るクエスト69】?』

(……RPGかな?)

ナマエが何気なくそれを、ゲーム機にセットして電源を入れた瞬間……

『わっ⁉』

眩い光に包まれた。

そして光が消えた時には、部屋には誰も居なかった。



*



急に眩しい光に包まれたナマエ。

瞼をそっと開けると、其処は森の中だった。

(……何事⁉此処は何処⁉)

一人、状況が判らず戸惑っていると、其処に行方不明になっている、ヤイバとジャロップ、クースカの三人が通り掛かった。

『やいばしゃ‼』

見知った人を見つけて、駆け寄るナマエ。

急に名前を呼ばれたヤイバは、

「ナマエ⁉お主、記憶があるのか?」

駆け寄るナマエを見て驚いていた。

ヤイバ曰く、此処はゲームの中の世界で、引き込まれた人は皆、ヤイバ意外は記憶を失いゲームのキャラクターに成りきっているらしい。

『ヤイバしゃ、ゆーしゃにゃの?』

「そうらしい。」

『ぶきが……かちゅおぶし……』

(……大丈夫なのか?)

何とも云えぬ武器に顔を引きつらせながら、ナマエは不安になる。

「故に拙者がこのレジェンド・オブ・隠し最強武器と、龍狐無想神威流ゲーム奥義で魔王を倒し、世界を救うのだ。」

そうすれば元に戻れる筈と、すっかりヤル気満々なヤイバに、

『ナマエもいきゅ!』

兄達に会えるかもと、ナマエはヤイバ達について行く事にした。
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