BSD2
□閑話
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乱歩と二人、手を繋いで歩いていると、名前が持たされている子供用の携帯が着信を告げた。
見ると相手は兄である敦。
『もちもち?』
電話に出ると、
《名前!勝手に飛び出しちゃ駄目だろ?》
先ずはお叱りを受けた。
『ごめんなしゃ……』
《乱歩さんに、迷惑掛けない様にね?》
『あい。』
素直に返事をする名前に、
《ところで、名前は太宰さんの行方を知らない?》
敦が訊ねた。
安吾から敦に連絡があり、太宰と連絡がつかないと問われたらしい。
(いつもの事だから気にしていなかったけど、そういえば会議に参加して居なかったな……)
そう思い返す名前。
そういえば確か……
『だじゃーしゃ、わんわんあいに、おうまみにいった。』
そう告げて出掛けて行ったのを思い出した。
《犬に会いに、馬を見に行った?》
名前の言葉に混乱する敦。
隣で名前の言葉を聞いた乱歩は、顎に手をやり何か思案している。
《……とりあえず、判った。ありがとう。名前、気を付けてね?》
『あい。』
通話を終えた名前に、乱歩は問い掛けた。
「名前、その犬って【猟犬】じゃない?」
『しょー!』
返事を返す名前に、
「態とだろうが……太宰の奴、拙いかもな。」
乱歩は呟くのだった。