BSD2

□閑話
1ページ/1ページ


乱歩と二人、手を繋いで歩いていると、名前が持たされている子供用の携帯が着信を告げた。

見ると相手は兄である敦。

『もちもち?』

電話に出ると、

《名前!勝手に飛び出しちゃ駄目だろ?》

先ずはお叱りを受けた。

『ごめんなしゃ……』

《乱歩さんに、迷惑掛けない様にね?》

『あい。』

素直に返事をする名前に、

《ところで、名前は太宰さんの行方を知らない?》

敦が訊ねた。

安吾から敦に連絡があり、太宰と連絡がつかないと問われたらしい。

(いつもの事だから気にしていなかったけど、そういえば会議に参加して居なかったな……)

そう思い返す名前。

そういえば確か……

『だじゃーしゃ、わんわんあいに、おうまみにいった。』

そう告げて出掛けて行ったのを思い出した。

《犬に会いに、馬を見に行った?》

名前の言葉に混乱する敦。

隣で名前の言葉を聞いた乱歩は、顎に手をやり何か思案している。

《……とりあえず、判った。ありがとう。名前、気を付けてね?》

『あい。』

通話を終えた名前に、乱歩は問い掛けた。

「名前、その犬って【猟犬】じゃない?」

『しょー!』

返事を返す名前に、

「態とだろうが……太宰の奴、拙いかもな。」

乱歩は呟くのだった。


次の章へ
前の章へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ