BSD2
□33話
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虫太郎の乗ったパトカーを見送った三人は、乱歩がこっそり箕浦から拝借したライターで、最後の頁である原稿が燃えるのを見つめていた。
その時、近くに止まっていたパトカーの無線から、
《乱歩君聞け!》
虫太郎のただならぬ声が聞こえた。
《もうじき探偵社に大きな仕事が来るが、絶対に受けるな!》
三人は止まっていたパトカーを振り返り、乱歩がパトカーに駆け寄る。
《受ければ探偵社は滅ぶ!いいか、絶対――》
ドンッ
虫太郎の声が銃声と共に途切れた。
愕然とする乱歩と名前。
ドン、ドン、ドン、ドン
その後も鳴る響く銃声。
そして無線はそれを最後に、
ザ――――――
ザ――――――
いつまでもノイズを発していたのだった。