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□ヤケ酒と祈祷師
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何杯目か分からないお酒を一気に喉に流し込む
味を楽しむ事はせずに、ただただ勢い



「さすがにペース早いだろ……酔うぞ」



ゆっくりと水の入ったグラスを傾けているマーサ
私はお構いなしに次のお酒をグラスに注ぐ



「私滅多な事では酔わないから安心して?ちゃんと吐く時はトイレで吐くし」
「いや吐くんかい」



太陽がようやく真上に昇ったくらいの時間
あと少しすれば昼の試合のマッチングが発表されるだろう


けど


「んなの気にして酒が飲めるか!かかってこいやハンター!ボッコボコに仕返ししてやる」
「いや物理攻撃できないぞ」



こうなったら昼からの試合も出てやる!くらいの勢い
反省会は十分したし、いつまでもクヨクヨしてらんない

優しかったマーサが若干引いているのには気が付かず、どんどん酒を流し込む

そこで、ドアがノックされた
誰か尋ねてくる約束はなかったが、もしかしたらエミリーさんが様子を見に来てくれたのかもしれない



「…どうしよう、絶対安静言われてたのに」
「知らん」
「やだ冷たい」


そう言いながらも、出ないとさらに怖い事になりかねないから渋々返事をする

でも予想外の人がそこに立っていた



「あれ、どうしたんですかナワーブさん」
「ボッコボコにされた面拝みにきたんだが……酒くさ」



私の手にしているグラスを見て、笑っている



「ちょうどいい所に来たな、ナワーブも飲んで行け。つーか飲め。私一人じゃ相手しきれない」



奥に座っているマーサが声をかけると
ナワーブさんは上がってきてくれた
グラスに氷を入れながら、その様子を見る



「ナワーブさんも試合だったんだ?」
「ああ、マーサと一緒にな。傷は大丈夫なのか?」
「うん、酒飲んだら治った。水割りでいい?」



焼酎をちゃちゃっとかき混ぜる
若干濃いめになったけど、ナワーブさん強そうだし大丈夫だろう



「にぼしがあるからツマミに……ってひげさん食べ過ぎ!太るよ!」
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