main

□第二試合
1ページ/4ページ



荘園に来て3日目の朝
広い館ではあるが、食堂までの道のりは覚えた
少し早い時間のため、人はまだ少ない


「おはようございます、お隣いいですか?」
「おはよ どうぞ」


眠い目をこすりながら、ノートンさんの隣に座る
低血圧なのか、テンションが低そうだ


「昨日はありがとうございました。これからもお願いします」
「ん、わかった」


本当は彼の外在特質について聞きたかったが、話しかけんなオーラが凄まじいからやめた
お互い無言で朝食を食べる

少し経つと、だんだんと人が増えてきた
マーサ達の姿が見えたため、食べ終わった食器を持ち席を立とうとするとノートンさんに着物の袖を掴まれた


「?」


何も言わないが、ここに居ろという事なんだろうか?
大人しく座るとその手は離された

マーサ達も何かを察したのか、無理に私を呼ぶ事はせず「ごゆっくり」と言わんばかりのジェスチャーをしていた


(多分変な誤解を生んでる気はするけど…)











「ちょちょちょ、あの二人何かあったの?」


食堂に入るとすぐにフィオナに詰め寄られる
一体なんなんだ、と指さしている方向を見るとアオイとノートンが並んで座っていた

あそこだけ何か別世界であるかのような雰囲気だ


「俺が知る訳ねーだろ。何かあったんじゃねえの?」
「あら、思ったより淡白なのね。昨日はアオイを押し倒したって聞いたけれど」


ウィラが意地の悪い笑みを浮かべる


「だから誤解だっての。つーか俺に水持っていけつったのお前だろ」
「貴方がアオイに会いたそうにしていたからよ。余計なお世話だったかしら?」


そう言われ思わず言葉に詰まる
視界の隅に写る2人の姿が気にならない訳ではないが
それは寡黙なノートンが、朝誰かと一緒にいるという事に対しての驚きだ


「別に関係ねぇよ」


それは自分に言い聞かせ、いつも通りウィリアムの隣に座った
相変わらず朝から高タンパクな食事してやがる


「朝の試合が発表されたの!皆確認してなの!」


ここに来て何度目の朝かもう忘れた
また、今日という1日が始まる


朝食を終えマッチングを確認すると、サバイバーの中にアイツの名前が書かれていた
次へ
前の章へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ