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□第一試合
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マップ、と言うべきか
目の前に広がる銀世界

近くには小さな小屋が見えるが全体的に薄暗いため、あまり遠くまでは見えない


(服も黒いから、遠目でバレることはなさそうかな?)


とりあえず辺りをキョロキョロと見回し、ウィラが言っていた暗号機を探す
近くの小屋にありそうだ

小屋の中に入ると『解読に集中して』というチャットが飛んできた
イライさんが送ってくれたものらしい

小さな端末を操作し、同じ文言を送信する
先程の位置からみて、イライさんは離れたところにいるみたいだ


(他2人は反応ねーし。自分の身は自分で守れってことか)


はぁ、とため息をつき暗号機に触れる
こんなもの解読できるのか?と思ったが意外と簡単でカタカタとキーを押していく

するとイライさんの梟がやってきた
鳴きながら私の周りをくるくると飛び、どこかに飛んでいく


「ずっと一緒にいてくれるわけじゃないのね…」


寂しくなりながらもカタカタと暗号機の解読を進める
あと少しで解読完了というところで、何故か手元が暗くなった

何か、私の後ろに立っているような影……


「っ!?」


人って、本当にびっくりした時は声が出ない


「ごきげんよう、祈祷師さん?」


変な仮面に見覚えがないから、多分コイツがハンターだろう
振り上げられた左手が、そのまま私めがけて降ろされる
次の瞬間 右肩から血が吹き出る


「ッ…いったぁ」


脈打つ度に溢れ出るのが分かった
とにかく逃げないと、本能的に走り出す


(ダメだ、板がどこにあんのか分かんない…追いつかれる!)


後方を確認しながら逃げていると、先程まで私がいた小屋の暗号機が光った
それはつまり、あそこで誰かいるってこと


「いや助けろよ!!!」
「へァァ?!」


ハンターは私が急に叫んだのにびっくりしたらしく攻撃が外れる

受身をとり、ハンターの脇を通り抜ける
その時に腰にある矢の存在を思い出した
矢を1本取り、見えないように逃げながら構える


「中々しぶといですね、貴女」
「…ちょっと文句言いたくなったので、まだ捕まるわけには行かないです」


どういう効果があるのか知らないけど
とりあえずハンターめがけて放つ
結構近い距離で当たった事もあり、苦しそうにもがいている


「えっと、とりあえず逃げる!」


幸い目隠しになる物が多いため少し距離をとり岩陰に隠れた
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