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□新サバイバー
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額に浮かぶ汗を拭い、ピクニック日和の空を見上げる
頭上ではカラスが私を見て笑っているかのように鳴いていた


「遠いんだけど。こんな山奥に本当に兄さんいんの〜?」


持ってきた荷物が重い。日本酒とか持ってくるんじゃなかった。でも酒無いと辛いしな。うん、酒は血液。


ある程度自分を庇護しながら
5センチ程の高さのあるブーツで山道を登る





実の兄が行方不明になったのは5年前
寒い冬の夜だった

祈祷師として、人として
自慢だった兄が私に何も言わずに出ていくなんて有り得ない

でも、兄に対する手がかりは
どれだけ探しても全く見つからなかった

つい先日、一通の手紙が届くまでは……





懐に入れたままの招待状を服の上からギュッと握り締める


「この手紙が嘘だったら、送り主呪ってやる」


そんな物騒な事を1人ブツブツ呟き歩いていたら、やがて森の中から大きな館が顔を出した

ここが、招待状に書かれている荘園だろうか



乱れた着物を正し、深呼吸をして
大きな大きな扉をノックする

荷物を持ち直していると、中から慌ただしい足音がいくつか聞こえてきた


(何事も第一印象が大事。人は見た目が9割、よし…)


できる限り最大の笑顔が完成すると同時に、ゆっくりと目の前の扉が開く

可愛らしいそばかすの女の子と、看護師さんのような服装の女性が暖かく迎え入れてくれた




こうして私は、この荘園へやってきたのだった
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