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□記録と祈祷師
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「うわ、眩し」



薄暗い部屋に長時間引きこもっていたため、部屋を出た時に少し目眩がした
あれからずーっと記録を読み漁っていたが兄さんに繋がるような情報は得られなかった



(…一体どこで何してやがんだか)



両肩をぐるぐると回しながら歩いていると、前にカートさんの背中が見えた
少し歩みを早めてその肩を叩く
振り返った彼は、私を見て笑顔になる



「ちょうどよかった!探してたんだよアオイちゃん!」



これこれ!と右手のボードを差し出される



「回覧板……?」
「そう!マップの変更やハンター、サバイバーの情報が更新される度に出るんだよ。アオイちゃんは最後の方だったみたいでね」



一覧を見ると、サインしていないのは私とノートンさんだけだった



「…つまり次はノートンさん、ね」
「たまたまだけど、先にアオイちゃんに渡そうとは思ったかな。因みに僕、昼は試合で部屋にいないから!頑張ってね!」
「……」



何をだよ、とツッコむ前にカートさんはどこかに行ってしまった
ため息ひとつ、回覧板を見るが内容は上手く理解できなかった



「…………うー」



悩みに悩んだ挙句、どうせ渡しにいかなきゃだし…と誰にする訳でもない言い訳を繰り返しながら彼の部屋へと足を運んだ










ノックをすると中から気怠い返事のみ返ってきた
開けてはくれなさそうな雰囲気の為、名前と要件を伝えるとすぐにドアは開いた



「イマイチ内容が理解出来なかったので…」


距離をあけソファに座り、申し訳なさそうに解説を求めると快く承諾してくれた
どうやら新しいハンターが実装され、鏡像をつくって攻撃してくるタイプの人らしい

ふむふむ…と説明を聞いていたけど、実際会ってみないと分からないし理解できる脳ではなかった事に気がつく
それが分かったのかノートンさんは回覧板をテーブルに置いた




「…実戦あるのみじゃない?」
「デスヨネー」



はぁ、と溜息をつき立ち上がる



「ありがとうございました。じゃあ私はこれで……」
「ねぇ。一昨日の夜、一緒に居たの誰?」



座ったまま私の目を見るノートンさん
それは少し怒っているようにも感じられた
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