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□恋敵と祈祷師
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「ナワーブ、何かいい事あったのか?」



一緒に風呂掃除をしているウィルからそんなことを言われた



「あ?別にねーけど…なんでだよ」
「いや、珍しく鼻歌歌ってたから不気味だと思って」
「不気味ってなんだよ」



無意識の内に鼻歌を歌っていたのか…と息を吐く
今日は掃除当番のため試合は無し
掃除が終わったら筋トレでもしようかとウィルと話をしていた



「そういや今日アオイちゃん見たんだけどさ」
「ん?」
「2階の廊下歩いてて…しかも朝に。誰かの部屋泊まってたのかなーなんて思ってよ」



モップの柄の部分に顎を置きこちらを見る
確かに2階は男部屋ばかりだ
何も気にしていなかったが見られていたのか



「なあなあ、やっぱりノートンとアオイちゃんってそういう関係なのか?元々ノートンの奴気に入ってたみたいだし」



楽しそうに言うウィル目掛けてシャワーをかけると「冷たっ!?」と悲鳴をあげている
いい気味だ



「さっさと終わらせよーぜ?腹減ってきた」



文句言いたげだったが、腹が減ったには賛成なのか2人で掃除を終わらせた

廊下に出て部屋に戻る途中、なにやら騒がしい館内
時間的に試合が終わった奴らが帰ってくる頃だが…そう思っていると後ろから肩を掴まれる
驚いて振り返ると



「ナワーブ!ウィリアム!手伝ってくれ!アオイが…!!」



血相変えたイライの姿に、俺は嫌な想像を止めることが出来なかった













「っはは、情けない姿で……」



包帯やらなんやらぐるぐる巻きの姿に笑ってしまう
呼吸する度に傷が痛み、笑っている場合ではないけど



「とりあえず消毒は済ませたし…エミリーが帰ってきたら後で診てもらおう」
「ありがとうパトリシア…それに皆さんにもご迷惑を…」



手当をしてくれたパトリシアとヘレナ
そして消毒の時に暴れる私を押さえてくれてたイライさん達
彼の姿には心底びっくりしたけど
皆にごめんなさいを伝えるとヘレナに杖で殴られた



「自分の心配して下さい!ばか!」
「うぅ…ごめん。でも見た目ほど痛くないから大丈夫だよ」



ズッタズタに引き裂かれていただろうから、今こうして普通に生きてるのが不思議なくらいだ
とりあえず寝ると言って皆に部屋から出てもらう
その時にナワーブさんと目が合った
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