main

□ 蜂蜜と祈祷師
2ページ/4ページ




「ちょっとーどうなってんのよ、アレ」



たまたま席が近くなったフィオナ達がウィリアムと俺に尋ねる
その視線の先にはノートンとアオイ

決して盛り上がってはいなさそうな2人だが、その周りには何か特別な空気がある



「だから知らねーって。ノートンが気に入ってる、それだけだろ?」
「やだナワーブくん、冷たい」
「一遍黙るか?ウィル」



昨日のダブハンの後、アオイに話しかけようと思ったができなかった
それは何故かは分からないが、まぁ疲れていたんだろう

隣で騒ぐウィルやフィオナ達を無視して朝飯を食べる
視界の隅で、むせ込んでいるアオイとその背中を撫でているノートンが見えた



「……」



バターを付けすぎたんだろうか
なにか胸の辺りがモヤッとする
残りのパンを食べ、水を一気に流し込んだ













「つっかれた……」



あれから特に会話もなく、ただただ静かな時間が過ぎていった
果たしてノートンさんは何を考えてるんだろうか全く読めない

自室にもどり、テーブルに突っ伏す
幸いとでも言うべきか朝の試合は無かった



(ってことは午後はあるんだろうな…できればリッパー以外がいいな)



めちゃくちゃ敵対心を持たれていた事を思い出し、なぜかと考えているうちにうとうとしてしまった







「アオイ、お前は──」







体がビクッとなって目が覚める
同じ体勢で寝ていたため、血流が限界を迎えたようだった

大きく伸び時間を確認するが、それほど経ってなかった



「ひげさん……?お散歩かな」



珍しく1人の部屋で先程の夢を思い返す
兄さんが何かを言いかけていた
それはものすごく大事な事のような気もするし、そうでない気もする



「紅茶でも飲もうかな…」



色んな種類が置いてあるとイライさんが言っていたし、人も少ないだろうからと再び食堂に向かうことにした
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ