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□協力狩り
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(くっそー…全然動こうとしない、どうしよう)



ヘレナを救助出来たのはいいが、代わりにカヴィンさんがダウンしてしまった

私が近くにいる事は知っているようで
なかなか吊るそうとしない
風船救助を警戒しての事だろう

ノートンさんがこちらに向かってきているため、救助のタイミングを見計らう



(カヴィンさんが自己回復してくれてたら矢の気絶時間で治療できるかも、だけど……)



1番怖いのは、私までダウンすること
ミイラ取りがミイラになりたくない

どうしようかと右往左往していると、少し離れたところにノートンさんの影が見えた
先程同様、私が囮になっている隙に救助してもらおうと目配せする

同意のジェスチャーが見えたため、物陰から一気に走り出た



「そこにいたんだ、祈祷師」



その瞬間私の目の前にハンターがいた
どこか貴族のような出で立ちをしており、私を見て妖しく笑っている



「え、そんなの聞いてない」



なんで一瞬で目の前にいるのか訳が分からないまま一撃喰らう
その加速でハンターから距離をとり後方を確認する



(よかった、カヴィンさんは助けられたみたい…)



安心も束の間、こちらに歩み寄るハンターが見える
とにかく今は通電するまで時間を稼ぐことが私の仕事
幸い強ポジと言うべきか、障害物が沢山ある



「せっかくだから楽しませてもらうよ、祈祷師さん?」
「あははは、余裕でやんの…」



最後の矢はまだ使い所じゃない
必死で逃げている私を、まるで踊っているかのように軽いステップで追いかけているハンター

後方を確認しながら、最初にいた小屋まで逃げてきた
小屋に入ると同時に通電の音が鳴り響くが、初めての場所だから迷子確定



(私が脱落しても、5人は逃げれるかな…いや、リッパーがどう動くかだよな)



窓枠等を駆使してなんとか逃げていると、ゲートが開いた!と2方向からチャットが飛んできた
その位置から比較的近そうなゲートへ方向転換



「ッ!!!」



すると同時に背中に痛みが走る
足元に霧が発生しているのを見る限り、どうやら後ろのハンターの攻撃ではなさそうだ



「アオイ立て!走るぞ!」
「うわ、ちょ……!」



ぐい、と強引に腕を引かれ無理矢理立たされる
ずっとチェイスしていたのか、息がかなり乱れていた



「悪ぃ、霧の刃当たっちまったな…」



ナワーブさんは前を向いたまま申し訳なさそうに言った



「これくらい大丈夫です。来てくれてありがとうございます」
「わざわざ来たんじゃねぇよ、近くにいたから」


フードに見え隠れする彼の頬は少しだけ赤い
その様子に、こんな状況だけど笑ってしまう

そしてそのまま2人で脱出ゲートに走り込んだ
待機してくれていたホセさんとヘレナもカバーしてくれ、サバイバーの勝利で試合は終わった
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